南極基地で掘り返された氷漬けの”生き物”は次々と他の生物に擬態し、12人の隊員に襲い掛かる。
ジョン・カーペンター縛りで観ようかなぁ……ワクワクで観た『ハロウィン』がロブ・ゾンビ版だったので思い出しリベンジ。むしろこっちの方が『ハロウィン』より有名? 知ってはいたけど観たことなかったので鑑賞。若かりし頃のカート・ラッセルが本当にクリス・プラットに似ててだいぶ笑った。親子役でキャスティングしたセンス凄まじいわ(他作品)。 そんなことはさておき、こんなに豪快で見事なスプラッタを知らなかったなんて。82年によくこんなおぞましい映像を作れたものだ。”生き物”のクオリティがただただ凄くて開いた口が塞がらない。今のCGで作ったツルツルでぬるぬるな化け物とは比べ物にならない気持ち悪さ、不気味さが最高も最高。精巧な映像技術に囲まれて生きてきた98年生まれの小娘も感激のエネルギッシュかつパワフルな完成度。内臓は本物の動物の内臓かな。粘膜がすごいなあ。その這いずる生首はどうやっているの? お腹からビュルビュル暴れ出る触手は手動だったりする? いや見事、制作現場を見たいけど夢が無くなる気もする。ただ絶対子供に見せられないし大人でもトラウマにはなりそう。某ピエロ映画の新作で生首から虫の脚が生える演出があったけどこっちのが断然凄いじゃない。あれ気持ち悪いとか言ってたらあまちゃんよ。ええ〜すごいなあ。造形のパワーをひしひしと感じた。 ”生き物”にすっかりやられたけど、ストーリーも素晴らしい。完璧な閉鎖空間、ほぼ解明出来ない”生き物”の生態、擬態するからこそ「こいつは偽物かもしれない」と仲間内で疑心暗鬼になっていく心理描写の展開。パニック要素は十分だけど追い詰められていく中での犯人(?)探しと言うサスペンス的要素も面白い。隣で喋っている仲間が次の瞬間にはぐっちゃぐちゃに変態して両腕もぎ取ってくるかもしれないスリル。こんなん字幕無くたって楽しいシンプルかつドキドキのSFホラー。加えてあの、人を生理的恐怖に陥れる造形ね。パーンッ!グチャグチャグチャー!うわはーーっ!!って言う感じの景気の良いエイリアンもの。引き際も個人的には雰囲気がたまらなくて好きです。音楽がかっくいい。食事時には遠慮したいけど。この映画に一人も女性が登場しないのは観終わってから気づいた。さすがにあんな死に方はさせられないってか。