“火星に一人”、宣伝だけだったら DVD で観るか〜だったけど監督がリドリー・スコットだから気にはなっていた。どう見てもシリアスでしかないと思ってたらまさかのミュージカル・コメディー部門で受賞しちゃってたので一体どういうこと!? と、俄然興味津々。早速劇場へ行き3Dで鑑賞。明快かつ的確なログラインの通り、宇宙飛行士が火星に一人で取り残される話。具体的には、悪天候で探査チームが火星から緊急退避する際、一人が嵐に巻き込まれて吹き飛ばされてしまい、死亡と判断され置き去りを食らう。意識を取り戻したマット・デイモンはなんとか地球の管制塔と連絡をとり、救援が来るまで僅かな物資と豊富な知識をフルに使って水・空気・電気から作り出す一人ぼっちサバイバル生活をスタートする……。全体的に容赦無く専門用語多めで何カ所か「??」とはなるけどそれを説明しすぎない程度のナチュラルさでカバーする脚本の妙とストーリーのおもしろさ。そう、おもしろさ。シリアスとおもしろさバランス1:9。なんだこりゃ!! 考えたら全然笑えない話なんだけどマット・デイモン鋼のメンタルとサバイバルスキル、絶妙なユーモアで定期的に笑わせてくる。これどうするの!? という課題がどんどん降ってくるけどめげずにどうにかして解決していく。なんとも言えないゆるさで楽しんでいたところに突然……ジャガイモがー!! これはジャガイモ映画。久方ぶりの”一人芝居”もの、退屈するかと思ったら全くそんなことなし。地球側の人々の、使えるもの全部使って何とか救出方法を絞り出していくのも熱いし、途中まで帰還していたクルーたちが生存を知った瞬間から「何が何でも助ける!!」とギアチェンジするのも激アツ。泣いた。
2016-02-13