X-MEN ファースト・クラス

X-MEN : First Class

ミュータントへの理解がない80年代、二人の青年は人間と戦うか共存するかで衝突していた。一方で、ミュータント組織が戦争を仕掛けようと動き出す。

X-MEN ファースト・クラス

X-MEN : First Class

字幕も吹き替えもセリフ覚えてきた。奇跡と奇跡が折り重なり、興奮しかない作品が世に出された。あの姉が家のテレビで一度もスマホをいじらずに最後まで観た傑作。すなわち全シーン面白いんじゃ。
 ストーリーとしては異能を持つミュータントたちが陰でキューバ危機を阻止する話……。しかし何が半端ないって、ドラマ部分。SF アクションものにしては重くてリアルなマイノリティとの向き合い方、そしてサスペンス要素。X-MEN の革命的要素でもある、ヒューマンの重厚さとド派手な SF の絶妙なバランスに原点回帰した感じ。前作『ファイナル・ディシジョン』の散々な結末でオワコンムードが漂っていた X-MEN にまさかの巻き返しの一発。しかも続編ではなく、因縁のプロフェッサー X とマグニートーの過去編!?(というか X-MEN 結成秘話)こいつぁやられた。その上、制作はブライアン・シンガーとマシュー・ヴォーンのタッグ!! 聞いたら分かる面白いやつや。それぞれの得意分野を大放出の傑作。
 一番はキャスティングの妙。若教授の役が……ジェームズ・マカヴォイ……!? 神様どうもありがとう。こんなに凄い役を今後3作ぶちかますのに誰もピンと来てくれないのはジェネレーション・ギャップなのか。まだ坊主頭でなくて良かった。なおかつ若手枠の中で一際輝くジェニファー・ローレンスの圧倒的演技力。細部に至るまで魅力に溢れる人物や。
 しかし若かりし頃のチャールズとマグニートーが真の友情を育んでいく様子は……シリーズファンにとっては泣ける。結局は過去編なので結末は分かっているのがなお辛い。なぜわかり合えないんだ……それでも各々の主張は理解できるものだし、対象を置き換えれば現実にある話。難しいところ。ここから長い長い長〜い過程を経て、あのラストまで漕ぎ着けるんだ……ここからが本当に長いんだ……。いやあ X-MEN は面白い。
2020-10-17