バンク・ジョブ

今回のジェイソン・ステイサムは悪党だった。本当に実話！？と三回は確認したくなる衝撃の内容とワクワク展開。王室のスキャンダル現場を犯罪一味に激写され、写真はロンドンの銀行の貸金庫に。国は写真の内容を知られず、また一切関与しないままに写真を奪還するため街の悪党に司法取引をして仲間に銀行強盗をさせるよう仕向けさせた。取引をした一人を除いて国の目論見など知りもしない悪党たちはただ金目当てに強盗計画を立てるが、中身を知られずに物を預けられる貸金庫にはとんでもないブツがゴロゴロ入っていて……。
　あくまで犯行は悪党になすりつけ中身を手に入れるためには手段を選ばない政府、一方で犯罪一味に潜入して情報を探るMI-6、一味に協力して警察に賄賂を送るポルノの帝王、それを受け取る汚職警官、強盗を捕まえようと奔走する善良な警官、事態を察して板挟みになる悪党たち。こんな大事件が本当にあった出来事とは信じられない！貸金庫利用者が中身を知られたくないばかりに届け出ないというのが生々しくて闇を感じる。
　もはや四面楚歌な悪党たちが取引して誘拐されて通報して拷問されて逃走して殺害されてあらゆる組織に振り回されまくりながら活路を見出す壮絶な逃走劇がだいぶ楽しい。どこまで追い詰められても渋い顔で「どうにかなる」スタイルなステイサムが最高だしその背中を信じる仲間もイカす。クズな奴はとことんクズでどうしようもないけど、正直者が馬鹿を見る世界では無いのがクゥ〜〜！っと唸る、にくい展開。
　盛ってる部分はあるだろうけど、全部が真実だと信じたいなあ。映画化しちゃうくらいだからスキャンダルは結局バレてしまったんだろうなあ。しかし最後のクレジットを見るに、実は他にもまだまだヤバイのがありそうで恐ろしい笑。中身の公表は2059年？まで国家機密だって……。