残酷で異常

Cruel & Unusual

死後、謎の空間に飛ばされ身に覚えの無い妻殺しの現場をループさせられる男。悪夢の一日を繰り返すうち新事実が解明していく。

残酷で異常

Cruel & Unusual

気になってたので観てみる。直訳にもほどがあるタイトルはやたらインパクトに残るので見つけやすい。ある日飛ばされた空間には殺人や自殺の末に命を落とした犯罪者たちが集っていた。彼らはそれぞれに与えられたドアを通り、自分の犯行現場を延々とループして罪を受け入れる更生を強要されている。身に覚えの無い殺人の罪で主人公も愛する妻が殺される一日を何度も何度も再現させられる。ループものは観る側も精神との戦いだが、これは最初にさっくり過ぎた一日がだんだん具体的になっていく。このセリフの意味だとか、あの電話の相手だとか、新たなワンシーンが加わっていってじわじわ色んなことが分かっていく。超常的な現象を体験させられるが、妻が殺されるまでの真実が二転三転するサスペンス要素も濃厚で良い。本当に異常なのは兄か妻か、それとも自分か?ループを利用して突破口を探索し異空間からの脱出を図る。愛する妻、そして息子を救う最善の方法を目指して何度も殺して何度も死ぬけど新事実が分かっても明るい未来がない、どうしようも無さが良い感じ。残酷で異常だけど良い。
2020-09-21