2001年、月面にて掘り出された謎の物体。超常的なエネルギーが向かう木星へ宇宙飛行士が調査へ向かうが……。
キューブリック縛りのトドメで観たやつ。開始2、3分音だけで画面が真っ暗だったからだいぶ不安になったけど演出だった。 全体的にワンカットが「長い長い長い!!」ツッコミたくなる優雅さ。これが宇宙の雄大な空間を表しているのかもしれない。人類の黎明から始まる冒頭も長い長い!だけど不穏な物体が現れてからが凄く良い。猿人の投げた骨が衛星に変わる表現は「っは〜〜」と唸る。人類に叡智を与えたであろうその謎物体は400万年後に月で発見される。世界のパニックを避けるため団体は極秘事項として物体の調査を進めていくのだ。宇宙船の内装、無重力の演出、未来的なマシンに声紋認証の液晶テレビなど先進的でロマン溢れる要素が盛り沢山。これにクラシック音楽が合うんだまた。加えてダラ〜っと堪能出来る優雅カットなので「夢があるわぁ……」とリラックスして観てたら。 急な展開。HALのシーン。頭に冷水ぶっかけられたような衝撃。寒いくらい鳥肌立った。怖すぎて想像出来るほどのキャパが無かったので一旦思考停止してやり過ごした。そういうシーンに限って終始無音だから冗長カットがモロ精神を蝕んで参った。油断してたけどこの人(監督)恐怖演出のプロじゃない。うわ〜。からの『宇宙の旅』ってふんわりした意味じゃなく、マジで20分はとんでもない宇宙の光景を延々強制旅行させられる。凄まじい映像に音楽も相まって、まさしく未知の体験だった。これ映画館で観るやつだなあ。終盤の展開はもっと半端ない。めっちゃ眉間に皺寄せて観てた。いや凄い。 派手でも不気味でもなく超生命体が出るわけでもないけど、あの宇宙飛行士の『旅』の結末は一体誰が予想出来たろう。例の壮大なテーマが流れて脳がぐしゃぐしゃになってたら終わってた。