読者の体験談に興味を持った作家がいわくつき物件の過去を明治まで遡っていったら恐ろしい真実がじわじわ迫ってくる。
夏なので怖いやつを。やはり邦ホラーは雰囲気と不気味さが堪らない。主人公に特別何か怪奇が襲いかかるわけではなく、部屋で起こった不可解な現象の原因を探っていくうちに物件そのものの嫌な過去が判明してくる。リアルさMAXな現代のワンルームで「気配」を感じるのもものすごく嫌だけど、そこで起きた昭和のえげつない事件、明治の異様な事件を知ってまざまざと実感していくのもものすごく嫌。終わらない連鎖。家から出られない自粛期間にはとてもお勧めしない、だって部屋の中に出るんだもの。子供が指差したり首吊りの「揺れ」が音で聞こえたり本当にやめて欲しい。主に呪い系だけど、お化けを見た人はその場で不審死というわけではなく、奇妙な言動を繰り返し始め発狂しどうにかして死ぬ。巻き添えがあるからとても迷惑。たまのCGはちゃっちいがほとんどの恐怖演出はほぼ実物というか実体があって、自分的にはその方が怖くて良い。何よりあの不意打ちのシーン。完全に油断していたところに音もなく映り込んできたので、心臓がギュンっ!!と握り潰された。見事。劇場で大画面で見せられたらもっと潰されそう。ジメジメした怖さとヒトの恐ろしさを堪能したい人向け。