ジブリで一番好きなやつ。リバイバル上映したので鑑賞。劇場で観たのは初めてだったがやっぱり音響が凄まじい。元々えぐかった久石譲のサントラが足元から腹を揺るがし脳に響いて涙腺を震わせる感じ。全シーンの音楽が本気すぎて泣ける。そして家のテレビで聞き取りづらかったセリフも全てくっきり耳に届く。良い。そして改めて「よく描いたな……」と引くほどの作画。ストーリーに関してはもう何回噛み締めるねんてほどだけど何度観ても泣く。今回意識したのは見過ぎて把握し過ぎちゃった展開を一旦頭空っぽにして”初見”の純粋な心で観ようということ。こうして観ると、アシタカの一つ一つの言動が常人には出来ないような相当の度胸と覚悟のもと繰り出されていたのだと痛感。自身の死期迫る中で助かる命を何一つ見殺しにしない人間性、唯一の頼みであった全能の獅子神に見放された後も全てが救われるよう余命を燃やし尽くす精神力。何度生き直せばこの強靭な倫理観を得られるのか……。オープニングから考え過ぎて号泣が止まらない。あくまで悪と正義の対立ではなく登場人物の誰もが信じるものを一本軸に持ち、貫くことで引き起こされる摩擦と悲劇が胸に迫る。それが歩み寄り、自分と違うものを信じた瞬間にこちらの涙腺は崩壊するのである……。しかしこんな酷い描写よく子供の頃普通に観てたもんだ。
2020-07-16