巷で話題だったので鑑賞。冒頭のクレジットでサム・ライミの名前が見えたけど気のせい？もしそうなら観なくても分かる怖いやつや。B級かと思ったら想像以上に凄かった。ハリケーンが接近する中父と連絡が付かず心配で車を飛ばした主人公。何と父は家の地下で重傷を負って倒れていた。急いで介抱しようと運びかけたその時、目の前に二頭のワニが現れる。近くのワニ園から排水溝を通りやって来たのだ。連絡手段も無いままワニと地下に閉じ込められ、刻一刻と迫るハリケーンに容赦ない浸水。驚くは水泳が得意な主人公というキャラ付けに安心していたのにいきなり噛まれる彼女の脚！開幕詰み。そんな負傷した体に真っ暗な視界、次々増えるワニ、堤防破壊までのタイムリミット……絶望的な展開が息つく間もなく襲いくる。割と心当たりのある状況なだけ臨場感にビビリ倒すばかり。何より暗い地下でどんどん増す水深にゾッとする。満足に動けないのに必死で娘を守る父の姿も死亡フラグが立ちっぱなしでハラハラする。一難去ってまた一難と言わんばかりに救いの要素が一つずつ潰されていく。助けてくれそうな人も襲われ、脱出したと思ったら洪水が来て……88分と短めな構成にも関わらず胃が痛くなるような猛攻。パニックものは全員死ぬという腹積りで観るけどこればかりは本当に死んで欲しくなくてだいぶ祈った。キャラクターの複雑な家族関係も生き残りへのドラマ性を引き立てていて良い。避難区域にわざわざ行ったらいかん。
2020-07-19