キラー・メイズ

Dave Made a Maze

家に帰ったら旦那が自作の段ボール迷路から出れなくなってた。野次馬やテレビ記者と一緒に自分も入ってみたら死者が出た。

キラー・メイズ

Dave Made a Maze

段ボール迷路で大冒険?よく分からないけど面白そう、観る。全体的に雰囲気は可愛いけどところどころ不気味。旦那が段ボールから全然出て来ない最初のくだりはギャグかガチかも分からない奇妙さ。頭を抱える妻、気の毒そうな友人、からかう野次馬、ネタ作りに必死なテレビマン。なかなかに濃いメンツが痺れを切らして侵入した妻にぞろぞろついて行き流れが変わる。中は外見の何倍も広く、不思議な空間が広がっていた。ここからの現象は全部ファンタジー、序盤のリアルクレイジーさにワクワクしていた人は心を切り替えて。紙で出来たオブジェは意志を持って動くし、旦那が余興で作ったトラップはヒトを殺しにかかる。理屈を考えたら負け、とにかく段ボールの迷路は命を宿してしまったのだ。この映画ストーリーはさておき造形が半端じゃなくて心奪われる。終始オール段ボールのステージは勿論、化け物の衣装、巨大オブジェ、何から何まで職人の手作業を感じる。そこに光や色彩などの技巧も加わり幻想的な空間も生み出される。目の錯覚を利用した部屋や突如始まる人形劇も巧妙。アートだ。怖がらせたいのか楽しませたいのかちぐはぐな音楽にグロ描写、B級感はふんだんにあるけどかけた労力は凄まじいであろう不思議なバランスの映画。
2020-04-29