他の映画と間違えて観た珍しいウッカリ回。しかし半端ない作品だった。囚人の精神病棟のためだけの完全隔離の島で事件が起こり刑事のレオ様が潜入捜査をする。この終始不安を煽る病棟というステージ、そして予測不能の精神異常患者たち。とにかく不気味で不快で目を背けたくなるが、施設の陰謀や事件の真相など重厚なサスペンス要素からは目が離せない。閉鎖空間というシチュエーションはその中にあるドラマの数が多いほど面白いが、文句なし。これ凄い。何よりもどれよりも怒涛のラスト……もう一回頭から観ざるを得ない。不可解だった要素が全部ストレートで殴り返してくる、恐ろしい。あのガツンとやられてこちらの精神ブン回される感覚はそうそう味わえたものではない。怖すぎて闇深すぎて作中の人物と同様パニックになる。ぐにゃぐにゃの脳内に畳みかける真相のドリフトに気がおかしくなる。その上であの締め方……どうとも捉えられる意味深な表現にまた考えさせられる。何だコレ。って、これマーティン・スコセッシだったんかい……。