クワイエット・プレイス

A Quiet Place

化け物がうろつく荒廃社会で生き残った家族が無音生活を徹底するも、奥さんの出産予定日が刻々と迫る。

クワイエット・プレイス

A Quiet Place

音を立てたら、終わり。やたらとそんなキャッチコピーで触れ回るので宗教的もしくは精神異常的な何かかと観に行ったらモンスター系だった。なるほど。設定はごくシンプル、聴覚特化の怪物に気づかれないよう音を立てない沈黙生活を強いられているのだ。そんな中で母親が妊娠し、絶対に音を立ててしまう恐怖に晒される。そしてもう一つポイント、長女は耳が聞こえない。すなわち自分が音を立てたか、自分の周囲で音が鳴ったか気づかない状態で怪物を避けなければならない。ステルス戦が大好きなのでこの設定は随分ワクワクする。こういう世界観で出来る最悪の展開を思い付く限り全部詰め込んだ感。スリラー、パニック要素申し分なし。経路に砂を敷いて裸足で歩く演出も魅力的。だがしかし。その演出するくらいならもうちょっと凝って欲しかった。無音であんな広大な土地農耕栽培出来るはずがないし、時計の秒針があんな音量で聞こえるなら人の怯える呼吸音完全アウトでしょう。SFに秩序があったら最高じゃない派の自分的には気になって仕方ない。まずそんな状況で子を授かろうとするのは正気の沙汰ではない。その前にその行為は果たして無音だったのか。安全地帯があるなら何故そこに居住する努力をしないのか。電気はどこから、浄水はどのように、というかその撃退法絶対にもうちょっと早く解明されてたでしょう、などなど。徹底していれば徹底しているほど面白いはずなので惜しい。しかし映画だから気にしてはいけない。続編も出るらしい。
2018-10-03