ワーキングマン

A Working Man

現場作業員の男は元軍人。恩人の一人娘が誘拐され単独捜索に乗り出すと、裏では凶悪なロシアンマフィアが絡んでいた。

ワーキングマン

A Working Man

新年一発目はステイサム。これにて3年連続ステイサムでの年初め。
今回は「現場作業員のステイサムが実は元軍隊のエリート」といういつもの流れ。前回は「養蜂家のステイサムが実は伝説の殺し屋」だったが今回は絶妙に毛色が違う。

建築現場のリーダーとして厄介な借金取りを追い払いつつ職務を全うする仕事人間ステイサム。
ある日社長の娘が行方不明となり、ステイサムは恩人である社長に報いるため有給をとって動き出す。娘が最後に目撃されたバーから単独捜査を進め、どうやら厄介なロシアンマフィアに誘拐されたらしいことが判明する。
マフィアはマフィアで誘拐をした張本人である放蕩者のバカ息子に手を焼きつつ、ステイサムに全滅させられるわけにはいかないのであの手この手で迎え撃つ。

恩人の社長は久々に見たマイケル・ペーニャ。戦地帰りで妻に先立たれたステイサムを雇い良くしてくれたのだ。ステイサムはその社長の娘のため命をかけるわけだけど、ステイサムには実子もいる。その親権は義父に持って行かれ、小さな一人娘とは週一の面会でしか会えない辛い現状。軍隊出身でいささか暴力に頼る節があるステイサムは義父と折り合いが悪かったのだ。親権を取り戻そうと奮闘している間に事件が起きる。
愛する娘がいるからこそ、社長の娘を攫い売り飛ばそうとする組織への憎悪も凄まじいステイサム。しかも臓器売買ではなく変態金持ちに人身売買というのだからなお一層ブチギレステイサムだ。

諸悪の根源であるマフィアのバカ息子と対峙した時、「なぜそこまでやる?」的なことを聞かれたステイサムが「娘はいるか?」と問いかけ、「いない」と答えられたのに対して「なら分からない」と返して銃ぶっ放したのはジーンとくる。父さん、不自由なく大事に育ててくれてありがとう……と実父への感謝が募った娘側。

一般作業員がマフィアに近づくための手際の良さと迷いの無さが明らかに素人離れしているが、軍人はスパイのスキルも高いものなのだろう。末端であるバーの店員を脅し、殺し、待ち伏せて、片付けにきた組織を確認して追跡し、リーダーを尋問して殺し、得られたマフィアの情報からヤクを買うふりをして潜入し……。ただ者では無い。
結構サクサク殺していくけどこの社会に警察はいないんだろうか……マフィアがうちうちで片付けるから問題ない認識なのか……と思っていたら、途中に警官も買収されていたことが分かって納得。向こうでは普通にあり得ることなんだと思うと余計にやるせない。社長娘が命からがら逃げ出して助けを求めたパトカーがマフィアのアジトに戻った時の失望たるや。

マフィアを相手にしているので身内もガンガンやられる。義父宅も襲撃され、放火されたところをステイサムが何とか救出して信用を取り戻せたのは嬉しい。そこから娘を信頼のおける隠居同僚に預けて決戦の地へ赴く。

軍人なので接近戦ではナイフを使う。嬉しい。まだまだ動けるステイサム、今回も全くの無傷。たまにはボロボロの死闘も見てみたい。

義父とか社長家族とか、関係性の説明が必要最低限なのでテンポが良くて助かる。ミステリーみたいに序盤で一気にキャラ紹介とかされると返って覚えにくいので、会話や振る舞いから顔とセットで視聴者側に察してもらうスタイルにしてほしい。ははーん、こいつはあいつの〇〇なんだなって気づいた方が覚えやすい。個人差あるかもしれないけど。

救助対象の社長娘が逞しくてありがたい。自分にできることは全部やっていたし、何より性悪下っ端女を己で倒したので相当偉い。
元空軍の男やマフィアのヒットマン二人がだいぶハードルを上げた上でそんなに強くなかったのが物足りない。ヒットマンなんか直接対決は無く爆発で一発だったし、拍子抜けだったな。これで汚職警官も仕留めたからまあ良いか。

無事に社長家族に娘を送り届け、同僚の家へ実娘を迎えに行き一緒に卓を囲んでハッピーエンド。同僚の家も襲われるんじゃ無いかとヒヤヒヤしたけど流石にハッピーエンドで安心。マフィアもバカ息子の親父は憤慨してたけど、その上席からは「お前のバカ息子がヘマやって単独で報復されただけなんだからほっとけよ、もう知らん」と梯子を外される。これで巨大組織から目をつけられる事もないので一安心。

ステイサムはB級映画のイメージがあるようだが、胸糞エンドにならない安心感が良い。いつでも強くて無傷でイカすステイサムがクールにシュールに戦ってくれていればそれで良い。来年の年明けも何か出してくれないかな。
2026-01-12