法で裁かれなかった凶悪犯罪者が次々殺される事件が発生。その殺人犯が”ヘチ”と呼ばれ神格化されていく中、ベテラン捜査チームは釈放された犯罪者の護衛を任される。
公開時気になってたけど観に行けてなかったやつ。同時期に『アマチュア』と『プロフェッショナル』が公開されててちょっと面白いことになってたっけな。 法で裁かれなかった凶悪犯罪者が次々報復殺人され、世論がそれを肯定し始めて、警察側がブレそうになりながらも捜索に奔走する構図はDEATH NOTEだ。ヘチは韓国版キラみたいなもんだ。 そんな情勢の中、主人公の捜査チームはこれまた凶悪な犯罪者の護衛を任される。妊婦を殺して遺族を心中させた上に心身耗弱で減刑、たった三年で出所した犯罪者である。主人公のおじさんは性根の腐った犯罪者の反省の無い姿に辟易しながらも職務を全うしようとする。この辺は『藁の楯』っぽかったけど、護衛のターンは割と早々に終了する。犯罪者は案の定殺されてしまうからだ。 ミステリー系かと思いきや結構犯人は丸分かりな感じ。深読みしてミスリードを疑い続けてたけど、最後までストレートに犯人だったな。 ベテラン刑事と若手刑事がバディを組んで捜査、みたいな触れ込みだったからそういう話かと思ったけども、実際は既に結束力のあるベテランチームに優秀な若手お巡りさんがスカウトされて加わった感じ。しかもその若手が最初から意味深な雰囲気で捕縛時もいちいち過剰鎮圧で暴力的、既に怪しい。そして結局最後まで怪しいままこの若手がヘチだった。やっぱりね。 当初は「ベテランと若手」、「凶悪犯罪者を惨殺する連続殺人鬼」ってフレーズだから若手の方が殺人鬼に同調しちゃって闇堕ちする展開を期待したけどそんなに複雑な話ではなかった。 後から知ったけどこれはベテランチーム主役の二作目で(タイトルもよく見ると2って書いてる)、それを知っていれば新加入の青年は更に怪しさMAXだったろう。次に怪しかったベテラン刑事の息子とか、一作目観てる人ならあり得ないって分かってるから全然絞れるし。くー。 とはいえちょいちょいヘチっぽいのが現れ、それはみんな偽ヘチという流れ。真ヘチの青年は必死の捕縛を装って偽ヘチを次々嬲り殺してしまう。周囲にチームのメンバーがいるときは自分がピンチになっている振りをして正当防衛のテイで始末する。 惨殺具合は割とグロテスクで、生きている人もひどい目に遭うので怖いっちゃ怖いが、最終的にはハッピーエンドなので心配はいらない。むしろ序盤のベテランチームの逮捕劇がふざけ過ぎててちょっと不安になったけど、ちゃんとサスペンス展開になった。今思えば二作目だからお馴染みメンバーってことで陽気に始めたのかもしれない。 青年が顔の可愛さと細さに反してバチバチにアクションするので嬉しい。脱いだら凄いのかもしれないけども。