ウルフズ

Wolfs

ホテルの一室で青年が死亡。別々で依頼を受けバッティングしてしまった二人の掃除屋が渋々協力するが、部屋で発見したある物により事態は思わぬ方向へ。

ウルフズ

Wolfs

カナダ帰りの飛行機で鑑賞一本目。
劇場で面白そうな予告を出しといてチキった配給会社? Apple? により配信スルーとなった上にApple TVでしか観れないという気の毒な有望作品、まさか飛行機で観れるとは! 離陸前から待ちきれず再生。ちなみに良いヘッドホンを新調したので有線で繋いで観たら、ノイズキャンセリングで飛行機の轟音もカットされ音楽もセリフもくっきり聞こえて大感激。

議員のマダムがホテルで若い青年とワンナイトしようとしたところ青年が転倒して頭を打ち死亡。大事な時期に非常にまずい事態となった議員は知り合いのツテで掃除屋に電話。しばらくしてベテラン掃除屋ジョージ・クルーニーが到着する。早速作業に入ってもらおうとしたその時、インターホンが鳴り勝手にロックを開けて入ってきたのはプロの掃除屋ブラッド・ピット。死体一つに掃除屋二人のダブルブッキング。なんと部屋に監視カメラを仕込んで一部始終を確認していたホテルの支配人により、別途ブラッド・ピットが招集されたのだ。
なんやかんやで二人の掃除屋に協力して対応にあたるようにという指示がなされ、時間も無いので渋々掃除屋たちは各々の仕事に取り掛かる。ところがどっこい掃除中に謎のバッグを発見、その中には明らかに盗み出されたであろうヤクがパンパンに。一気に事情が変わり二人はややこしい抗争に巻き込まれていく。

掃除屋二人のバッティングという宣伝からの期待を裏切らないドタバタぶりがだいぶ楽しい。
死んだと思った青年が息を吹き返したり、意識を取り戻したと思ったらキマリっぱなしで深夜の中華街にパンイチで逃げ出したり、なんとか捕獲して話を聞いたらやっぱりヤクは厄介なブツであったり……。その後の展開もてんやわんや。

一貫して掃除屋二人の視点で話が進むので良い感じに小規模で見やすい。『探偵はBarにいる』海外版みたいな雰囲気。職人がいつも通り仕事しようとしたら思ったよりややこしくて、しかも渦中の人物はひたすら面倒など素人な感じ。このど素人ポジションが青年。
友人のバイトを代わりに引き受けたら盗品のヤクをボスに受け渡すとかいう激ヤバ案件で、それだけでも厄介なのにヤクを抱えたまま議員マダムとワンナイトに持ち込んで調子に乗ってヤクを使ってしまうという激ヤバ失態のオンパレード。これを上手く片付けなければならない掃除屋の心労たるや。逆に二人体制で良かったかもしれない。

思いを寄せてた闇医者が二人で被ってたり、ポケベルの連絡を確認しようとして静かに二人で老眼鏡掛け直したり、青年の口を割らせるための最終手段がシンプル暴力だったり。笑わせにくるところがちゃんと笑えて面白い。車に轢かれそうになった青年が奇跡的に一回転ジャンプで避けて美しい着地をした時のスローモーションと居合わせたブラピの表情は秀逸だった。そういえば予告でも使われてた気がする。

ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットと可愛い顔の女装青年がラブホで受付に勘違いされるパターンは婦女子の方々にもウケそうだったのに。ブロマンス強いと跳ねるでしょ。
ていうか監督ジョン・ワッツだったのか〜そりゃ面白い。Apple TVスルーはやっぱり不憫な扱いだなあとしみじみ感じる。
2025-07-25