代々長男が祟られる曰く付きの一族。依頼を受けた祈祷師・葬儀屋・地官4人組が先祖の墓地を掘り返すと、極めて奇妙なものが埋まっていた。
帰省中に母と気になってたやつを鑑賞。母、韓国もの好きだけど暗すぎるホラーは苦手なので私に事前確認する。 これは公開時に『マリグナント』系とコメントしている人がいて俄然気になったやつ。かつ、だいぶ評判だったのでそんなにひどいバッドエンドということは無かろうという勘で親子鑑賞。 期待通り、これはメインメンツ誰も死なずハッピーエンド。ソレ以外の人はバタバタ死ぬけれども、母も暗くならず良い話だった。ちょっとグロいくらい。 メインメンツは結構いる。祈祷師コンビと葬儀屋と、その相棒の地官。この地官ってやつは土地の良い悪いを見てくれる職業らしい。日本にもそういうのはあるのかな? 建物建てる前にお祓いというか祈祷はするけどね。 この職業聞いて成り立つのかまず若干気になったけどやっぱり厳しいという話だった。良い土地はどんどん売れるのでぶっちゃけもう適当言って売るしかない。そんな出鱈目な働き方をしている地官おじさんだけど、ベテランはベテランなので本当にヤバい土地はちゃんと察知する。 お話的には非常に禍々しいキョンシー系。代々長男が祟られるという忌々しい現象に悩まされる御曹司に相談された地官が先祖の墓を確認したところ、かなり奇妙な埋葬をされていた。直感的にヤバいと感じた地官は仕事を断り関わらないようにしたが、家計が火の車である葬儀屋&御曹司の小さな息子を心配する祈祷師にゴリ押され、墓を掘り起こしてご先祖の供養をすることに。 入念にお祓いをしながら墓を掘り起こし、遺体を厳重に封印して運び出したが、移送中に予期せぬ土砂降り。また嫌な予感がした一同は病院に一晩遺体を置くことにしたが、遺品に目が眩んだ知人のせいで封印が解かれてしまう。先祖の怨霊は忽ち子孫一族の元へ飛び、地官たちの奮闘も虚しく一人ずつ祟り殺されていく。依頼人の御曹司までも目の前で自傷して息絶える惨事。 一体怨霊の目的は? 止まらない祟りの連鎖に祈祷師と地官は墓や一族の歴史を調べ上げ真相を追求する。そして墓に隠された恐ろしい事実に直面する。 こういうの良いよね。単純に身内を恨んだ先祖が暴れてるだけと思いきや、もっとおぞましい真相があったパターン。墓の仕組みは本当に奇妙で実際にこんなん目にしたらゾーッとしそう。 マリグナント系っていうのは終盤のモンスターパニック展開の部分かな。ネタバレしちゃうけど墓の中に二段重ねされて下に押し込められていたのが怨霊の総本山で、なんと日本の武士。詳細は本編にてだけど、ちゃんと吹き替えで美しい日本語を話す。 なんやかんやで終盤に日本の武士バケモンが復活して襲ってくるわけだが、やっぱりモンスターパニック系はワクワクする。ハムナプトラ系ともいう。 序盤の飛行機で流暢に日本語を話していた祈祷師の設定がここで生きる。武士バケモンに見つかっちゃって絶体絶命の時に咄嗟に土下座して「あなたの手下にございます(うろ覚え)」と日本語で対応する機転。だが結局相棒が重症を負わされるから無慈悲だ。 ここにきて相棒の話するけど、この祈祷師の相棒(弟?)のキャラデザがと〜ても良い感じ。お経のタトゥー入れまくってるのも涼しげさっぱり顔なのも素敵。そんなパッと見危ないお兄さんなのにめちゃめちゃ良い人なのが素晴らしい。 こちらはイタコなのでちょいちょい霊が乗り移り、その展開も楽しい。武士の部下の霊が憑いたら日本語でめっちゃ喋るし。それも時代背景的に昔のかしこまりまくった日本語で我々でさえ噛みそうなやつをペラペラ、役者ってすごいなあ。 くたびれた地官おじさんが経験と知識で巨悪の怨霊に対峙し、最後は決死の一騎討ちで立ち向かう。相打ち感がものすごくて心配だったけどちゃんとみんな生き残った。キルシーンも多いけど締めはスッキリでいい話だ。 思わぬ日本要素で嬉しかった。『哭声』といいコレといい、日本人がラスボスって嬉しいね。異国の怨霊ってだけで怖いもんね。何となく西洋の幽霊より東アジア系の幽霊の方がヤバいイメージがある。分かるかな。 母も満足の韓国ホラー。ちなみに母は祈祷師の人にはしゃいでた。半地下のお姉さんでびっくりした。キム・ゴウン。