立て続けに起こる不可解な猟奇殺人。犯行の手口は15年前に死刑になった殺人鬼と完全に一致していた。捜査を進めた刑事は恐ろしい真相に辿り着く。
お泊まり中の晩飯のお供に。どこのレンタルビデオショップを回っても見つからなかったエクソシスト3が配信されるとは、助かります。怖いと噂で気になっていたのだ。 正直一作目の記憶が曖昧だったので展開の理解にちょっと遅れてしまった。一作目ラストは若い神父がやられてベテラン神父が飛び降りた気がしてたけど、実際は逆でベテラン神父がやられたあと若い神父が飛び降りていた。この記憶違いちょっと勿体無かった、混乱しちゃったもの。神父の名前を微妙に覚えてなかったのも惜しい。ベテランがメリン神父で若手がカラス神父ね。二作目はメリン神父の調査をまた別の神父が行っていたからややこしかった。神父が多い。 今回も神父が続々登場。悪魔系だし仕方がない。 舞台はエクソシスト一作目から15年後の設定。強力な筋弛緩剤で身動きを封じた後、生きながらにして首を切断しキリスト像の首とすげ替えるという猟奇殺人が立て続けに起こる。手口は同じにも関わらず、検出された犯人のDNAは全くの別人。 頭を悩ませていた刑事だったが、とうとう友人の神父までも入院中の病室で惨殺されてしまった。捜査を進めていくうち、殺人の特徴が15年前に起きた殺人事件と一致していることが判明する。しかしその犯人は死刑になっているはず。 すると病院の院長がある真実を打ち明ける。死刑になった青年は今、隔離病棟に拘束されている男に憑依しているという。その男こそ、あのエクソシスト事件で飛び降りて亡くなったはずのカラス神父であった! 事情は憑依青年がペラペラ喋ってくれた。地獄で悪魔と会った青年は瀕死のカラス神父の体に入れてもらい、15年の歳月をかけて健康に動ける体に復活したらしい。なぜカラス神父なのかは、悪魔による腹いせのチョイスだった。カラス神父の姿で悪行を重ねて侮辱しようという魂胆。ほお。 犯行について、青年は病院の患者などあらゆる人物に憑依して殺人を行っていた。終盤は青年による殺人を食い止めるべく奮闘する展開。刑事は患者の方、神父は本体(カラス神父)の方という具合に戦う。 分かりやすくするためだろうけど真相については憑依青年が延々と説明し倒していて(自主的に)、ただただこの人めちゃめちゃ喋るなという印象。本当に喋りまくっていた、会話に飢えてたんじゃないかな。 それにしても命懸けで頑張ってくれたカラス神父がこんな目に遭うとは、しんどい。憑依青年にトドメを刺すとき「今だ、撃ってくれ」って一瞬戻ってくる神父には泣けた。 恐怖演出について。今までのシリーズにないアプローチの恐怖演出が素敵だった。 全体的にしっとりサスペンスでびっくりシーンはあんまり無かったけど、数少ないホラーシーンがインパクト大。 まず有名な廊下の看護婦のシーン。みたことあるやつだったので衝撃は半減してしまったけど、だいぶ良い感じ。廊下を定点で写した状態で、看護婦が何かの気配を感じウロウロする。最後に病室を覗いた後、振り返って歩き出す。ノータイムで包丁を持った人間がその背後をついて行く。かなり斬新な演出、あれは良かった。おしゃれ。 もう一つ、天井這いずりおばあ。こちらも定点の画面で、病院内を歩く刑事さんが写っている状態。その画面端からぬるりと天井を倍速で這いずる老婆がカットイン。これもかなり不気味で良かった。老婆だけ倍速っていう奇妙な動きも気味悪いし、何より効果音も何も無しにぬるりと現れてくるのもビビる。嫌だわあ。 若干の混乱はあるけどインパクト大な恐怖演出を楽しめた。 レーティングは18禁だったけどどの部分がダメだったんだろう。最終戦で神父の背中がズル剥けたあたりかな。そんなに18禁を感じる過激描写はなかったイメージ。