逃亡生活中の殺人犯がエボラに感染するも無症状の保菌者に。最悪の人間が感染源となるウイルスパニック。
他の映画と間違えて観たけどインパクトは強烈だった。感染ホラーというより不潔サイコスリラー? いきなりGHらしきオープニングが聞こえて「GHの丸パクリじゃないか」と思ってたらGHのロゴが出てきてたまげた。いつものデン……デン……じゃないオープニングだった。 というかタイトルとサムネの雰囲気で何となくアメリカ映画かと思ってたから、ゴリゴリの中国映画でびっくりした。主演もアンソニー・ウォンで驚き。この人、霊幻道士4の胡散臭い道士様の人よね。こんなえげつない大役張っていたとは。ちゃんとしたらハンサムだろうに、終始本当に気持ち悪いおじさんなので凄い演技力だ。 アンソニー・ウォン演じる気持ち悪いおじさんが三人殺して指名手配になった後、南アフリカへ逃亡しエボラに感染して発症しないままスーパースプレッダーになる話。 全体的に主人公の倫理観が終わっていて終始ひどいもんだが、エボラに感染する経緯もひどい。 エボラが発生している地域まで豚肉を買いに行き、帰りに職場のオーナーと喧嘩して単独行動になった際、感染して倒れている村の女性を強姦してうつる。 そんな終わっている奴がよりにもよって無症状の感染者となり、致死性のウイルスを巻き散らかす。初回以降診療を受けていなかった主人公はそうとも知らず拡散しまくっていたが、終盤に感染源であることを知ると子供を人質に取ったり人々に体液を撒き散らかしたりと地獄の展開。 自分を匿ってくれていたレストランのオーナー夫妻を強姦からの殺害からの強盗でいよいよイヤな話だなぁと思っていたら、中国側の警察チームが出てからちょっと爽やかになった。ドラマ感が出たというか、何かホッとした。 中国に渡ってからは元カノを頼って身を隠すわけだけど、ウォンの感染を知って逃げ出した元カノが鉢合わせた警察に「二階にエボラが……」ってエボラ呼ばわりしてんの不意打ちで笑った。字幕の都合なのかどうなのか。 それにしても地獄のコロナ時代を過ごした我々からすれば、体液で感染のボーダーが低く感じるのは仕方ない。唾液血液精液を口にしなきゃセーフみたいな演出……普通に近距離で喋ったり一緒に暮らしてる時点で飛沫感染しそうなもんだけど、エボラってどうなんだろう。 そもそも主人公が弩級の不潔クズなので感染が爆速で広まるんだけども。売り物の服で鼻かんで放置したり、料理に使う肉に精液かけたり。思いもつかないクズっぷりなので逆に感心した。 不潔っぷりがちょいちょい挟まれる”臭い”演出で強烈に強調されてた。特にその昔目の前で家族を殺された少女は大人になってから主人公の臭いを嗅ぐとえずいてしまうのとか、生々しくて良かった。 とりあえず良い人はみんな死んでしまうし小さい子供が巻き添えで死なされてしまうのでイヤ映画である。