地下闘技の殴られ役で日銭を稼ぐ男が上流階級のレストランに就職。そこで親の仇を発見し復讐を図るが失敗。逃亡しつつ万全の態勢で再び挑む。
ジョン・ウィック製作チームとジョーダン・ピールプロデューサーと聞いて。もうこの辺の名前出されたら問答無用で観ている。というかジョン・ウィック4以降ジョン・ウィック要素に飢えている節もある。 インド版ジョン・ウィックと聞いていたけど、歌もダンスもアホCGアクションも無く、まさしくジョン・ウィック味のある硬派かつゲームチックなアクション。良い。 全体的に暗い。インドあるあるのご陽気な要素は無く、犯罪と暴力が蔓延る治安の悪いじっとりした架空の都市が舞台。 その都市は貧困層と貴族たちの居住区がくっきり分かれていて、貴族たちは貧困層から搾取し、貧困層は貴族たちのおこぼれを漁って暮らす悲惨な状態。 主人公は地下のファイトクラブにおいて猿男のヒールを演じ、殴られ役として細々と生きていた。そんなある日、生活苦を脱するため貴族の食堂スタッフに就職するが、そこで因縁の相手と接触することとなる。それは少年時代に主人公の母親と故郷を奪った男だった。 パーティーにて殺害に踏み切るが一歩及ばず、主人公は逃亡の身となるが重症で海に落ちたところを寺院に匿われる。そこで心身を鍛え直し、ファイトクラブで稼いだ大金を寺院に置いて主人公は再び復讐に挑む。 全体的にどことなく『マッハ!』を思い出す雰囲気。だから好きなのかもしれない。街の小汚さと暗さ、格闘の痛々しさ、トゥクトゥクカーチェイスにファイトクラブでのワンパンならぬワンキック。覚醒後のファイトクラブはモンキーマスクを被ってのカポエラ風味の猿らしき動きがかなり痺れた。癖のある拳法は総じてかっこいい。 途中のトリップ映像とかはジョーダン・ピールの好みでっしゃろな。 特訓前も普通に強かったけど、どちらかというと泥臭かったファイトスタイル。まあかっこいいけどジョン・ウィックの方がイケてるな……と思わせてからの、終盤のキレキレの格闘がブチ上がりである。速度がもう……身のこなしがもう。戦闘中の音楽もドゥンドゥンのEDM、極め付けはヘヴィメタが爆音でギャンギャンに流れる中の殴り合いなので大喜び。これこれ。 しかしこの特訓後キレキレファイトをもうちょっと観たかった感。本当〜に良かったのでもう15分くらいあって良い。こちとらジョン・ウィック以降飢えている。そういえば最初の武器商人が「『ジョン・ウィック』知ってるか? 同じ銃だぜ」って出してくれたのは嬉しかった。違う銃選んでたけど。ワンちゃんも登場するし、素敵な世界観。 一回敗北してから師匠に教わって特訓して再戦の流れはジャッキー・チェン要素、ラスボス戦に向けてエレベーターで上へ上へ向かっていくのはブルース・リー要素って感じか。初戦で逃亡する時にガラスぶち割れなくて盛大に倒れるのもひょっとしたらチェンリスペクトかもしれない。 何個か要望があるとしたらさっきのアクション15分追加と、最終戦前に一瞬だけ被ってた白モンキーマスクをもうちょい続けて欲しかった。あまりにも好み、白いモンキーマスクとスーツの取り合わせ。かつ、復讐相手は燃やして欲しかった。母親があんな残忍な殺され方をしたので同じ目にあってもらわなければ……と思って観てたけど、普通に刺してトドメだったのよね。 インド映画何本か観てあちらの神々についてもじわじわ覚えてきた。勇敢な猿の神様はハヌマーン。主人公はハヌマーンの化身となったらしい。今度『ハヌマーン』てインド映画も公開するし、人気なんだな。 主演(監督)はシュッとしてて見応えあった、ちょっと痩せてるのでもうちょいゴリってたら確実に好みである。あと同じく貴族に復讐する美女がガチ美女でとても良かった。友達のアイツは幸せになってほしい。 続編作れないかな〜作って欲しいな〜。