誘拐した少女がバレリーナヴァンパイア、という何やらゴキゲンなあらすじだったのでTOHOで鑑賞。
普通に楽しかったけど友人や家族と観るもんじゃない。
謎の屋敷に閉じ込められた雇われ強盗たちがヴァンパイアの少女に一人また一人と無惨にやられていく。血みどろ大爆発、腐乱死体プール、首なし死体ダンスとハジけた悪趣味演出もあり。
六人の面識の無い雇われ強盗たちが依頼通りに少女を誘拐。そのまま指示された洋館に到着すると、依頼人から洋館で少女を24時間監禁すれば任務は完了、解放すると告げられる。
依頼人の正体、少女の父親、互いの素性など何も分からない状態で六人と少女の24時間軟禁生活が始まる。
主人公は自身が子持ちなのもあり少女に同情し、世話係を買って出る。しかし強盗の一人がこっそり監禁部屋に行き少女を問い詰めると、その父が政界をも轟かすマフィアのドンであることが判明する。怖気付いて洋館から逃げ出そうとしたが扉には鎧戸が降りており、窓という窓も塞がれ六人は完全に閉じ込められる。
そして各自部屋に戻ると間もなく一人が首を切断され殺害される。マフィア側が娘を取り返そうと暗殺者を送ってきたに違いない……そう思ったメンバーは疑心暗鬼になるが、殺人犯はバレリーナヴァンパイアの少女だったのだ。出口の無い洋館で恐怖の一夜が始まる。
少女の正体がわかるのは割とゆっくりめ、二人犠牲者が出てやっと正体を表す。
マフィア云々の話は結局無関係だったのか? と思っていたら割とこの辺もしっかり関わってくる。集められた強盗たちの素性も全員がマフィアに関連しており、思っていたよりお話はしっかりしている。
真相としては依頼人もグルのヴァンパイア側の罠で、少女が捕食兼報復のため六人を殺害するためのものであった。六人ともかつてマフィアに対して損害を被らせた当人であり、少女は父親に貢献したい思いも相まって始末を企てていたのだ。
人間的にまともだった主人公も、その昔シャブ中が原因でマフィアの一員の手術に失敗し死亡させたヘマを犯していた。
少女の思惑と正体が判明した後も強盗たちは苦戦を強いられ、眠らせたり日光を浴びせたりで一時的な撃退は出来たが殺害は止められない。しかも残り二人となったところで一方が咬まれてヴァンパイアに変貌してしまう。大の大人ヴァンパイアの誕生に事態は最悪の展開へ……。
主人公がかなり良い、まず単純にビジュアルが良い。ビジュアルで既に好きなのに元衛生兵という実力付き。
そして常に冷静でザクザク刺されても動けるタフさ。ずっと頼りになる姉さんポジションだったのに、シャブ禁用の飴が切れてボロボロになり始めるのもギャップがあって素敵。いやダメなんだろうけど。
ニンニク、十字架、杭と定番のヴァンパイア対策を一通り試して全然効かないのも王道だけど楽しい。日光が引くぐらい効くのもちょっと面白い。踊りながら襲いかかってくるバレリーナ要素もかわいい。ちゃんと血も吸う。コウモリには化けない。
最後に共闘して大人ヴァンパイアを倒す展開はベタだけどアツい。主人公の人間性が報われて良かった。死体プールに頭から落ちたデロデロのギャルに距離置かない人間性が報われて良かった。母ちゃん……。
不意打ちのびっくりが多くて二回くらいガチビビりした。ホラーとしても程よいと思う。
ディーンの喋り方なんやねんと思ったけど中の俳優さん亡くなったのか、遺作となってしまったなあ……。
2024-09-21