怪我で現場を退いたスタントマンが元恋人の監督作に声をかけられ復帰と復縁を目指す。撮影のため行方不明の主演俳優を探し出すが、思わぬ事件に巻き込まれていく。
監督がデヴィッド・リーチなのとアーロン・テイラー・ジョンソンが出ることに気づいてから急遽鑑賞。 面白かった、『ブレット・トレイン』が好きならハマる系の面白さ。家族とも見られるゴキゲンアクションドラマ映画。 今日では珍しいくらい主人公が彼女の好感度上げに全振りするタイプ。クールなナイスガイキャラが多い世の中だが、結局こういうのが好き。ライアン・ゴズリングには何となくロマンス映画のイメージがあったけど、今回の全力で体張る一途男っぷりには好感度上がった。いい奴だ。 それにしても今年はスタントマン系の映画が多い、知る限り3本目である。(『ポライト・ソサエティ』がどれくらいフィーチャーしてるかは分からないけど。) スタントマンは不死身の人間だと思っているので普通に憧れる職業。ジャッキー・チェンからのトニー・ジャーで個人的にも興味津々な世界なので、こんな風に脚光を浴びたり実情が深掘りされたりするのは嬉しい。字幕監修で谷垣健治の名前があったのも地味に嬉しかった。 お話は程よい規模感のクライムっぷり。 怪我で現場を離れバイト生活をしていた落ち目のスタントマンが、キャリア復帰と元カノとの復縁を目指して映画撮影へ参加することから事態は動く。性悪プロデューサーからの無茶振りで主演俳優の捜索を請け負うが、主演が滞在しているホテルを訪ねると部屋には氷漬けにされた男の遺体が。 姿を消した主演俳優が重大な事件に巻き込まれていると察した直後、謎の武装集団に襲われる。襲撃を交わしつつ撮影に参加しつつ、そして元カノとの復縁に奮闘しつつ事件の真相と主演の行方を追う。 襲撃は派手だけど主演を取り巻く身内間の争いなので深刻さは程々でちょうど良い。 真相としてはアホ主演俳優が飲みの席でハメを外しすぎて、同席していたスタントマンを殺害してしまっていた。(部屋で氷漬けにされていたのはこの男。)その場にいたスタッフや事態を聞きつけたプロデューサーは、揉み消しのため主人公を騙して濡れ衣を被せようとしていたのだ。 事件の顛末を録画した証拠動画があったわけだが、ディープフェイクで主演の顔が主人公の顔にすげ替えられ、それが全国で報道され主人公はまんまと指名手配に。普段は主演の顔に替えられる存在のスタントマンに対して皮肉な作戦である。 激しい襲撃を躱し、主人公は一度死んだと思わせてから撮影に乗じてアホ主演を自白させた上で懲らしめ、悪党たちを逮捕させてハッピーエンド。 悔しいけど「正直どのスタントも痛かった。でも平気だった、君と会えないことに比べれば」(うろ覚え)にはグッときた。 アクションは基本不死身なスタントマンの特性モリモリで楽しかった。タクシーで逃げようとするターゲットを止めるため轢かれに行くのは嬉しくてニヤニヤしたもんだ。トドメの中指立てて敵ヘリから背面落下はイカす。ちなみにその時のキャッチに使ったやつの87ノースって文字は一体何だったんだろう。87ノースから借りてきた備品ってことかな。 アーロン・テイラー・ジョンソンが主演俳優役ということで珍しくちゃんとハンサムな設定。性格は天狗で小物でナルシストでひどいもんだけど、ビジュアルと筋肉が大爆発してるので文句はない。金髪うねうねヘアーがやっぱり似合う。 エミリー・ブラントのビジュアルもだいぶ良かった。キャラもしっかりしてるんだけどちょっと抜けてる塩梅が可愛い。 MVPはスタントワンちゃんのジャン・クロード。施設?に一旦預けられそうになったところで悪党を追うため主人公と共に飛び出すところがカッコ良い。