ハロウィン

Halloween

ハロウィンの夜に姉を惨殺した少年。十年後のハロウィンに精神病院を抜け出し惨劇を繰り返す。

ハロウィン

Halloween

ウキウキで観たハロウィンが本家ではなくロブ・ゾンビによるリメイク版だと知って以降ずっと観たかったジョン・カーペンター版。何故か近所のレンタルビデオ屋どこにも置いてなくて池袋TSUTAYAでやっと発見。やったやった。

リメイク版と全然違うのは主人公の女子がマイケルの妹でも何でもないことか。まさかオリジナルでは赤の他人だったとは。マイケルはどちらかといえば姉への因縁で町へ戻ってきていた。

全体の流れはリメイク版と大体同じ。少年時代のマイケルがハロウィンの夜に姉を殺害(親も姉の恋人も殺していなかった)して囚人の精神病棟に収監される。そして20歳を迎え再び法廷に立つため迎えの車が来たところを脱走。そして故郷の町へ帰ってくると姉の墓を掘り返し、ハロウィンの夜に若者たちを惨殺していく。

正直マイケルが何をしたいのか謎だったが、姉をどうにかしたかったんだろう。女子のベッドに姉の墓を立て直し、手にかけた若者たちの遺体を同じ部屋に集めて置いている。リメイク版が生き残った妹に執着するマイケルだとして、こちらは亡き姉に執着しているマイケル。主人公にも粘着しているというより、順番に近場の若者を潰して行っている感じ。

ジョン・カーペンターというから世にも恐ろしい豪快なキルを見せられるのかとドキドキしてたけど、意外にも殺害方法は絞殺か刺殺かで結構地味。ハロウィンの夜に黙々と死体を増やす人間味のある殺人鬼。激しく動いたり追ってくる時はハァハァ息荒げてるし、生々しくて臨場感が怖かった。露骨に息が荒い覆面キラーって結構珍しい気もする。弱く見えちゃうからか? この場合は逃がさない強い意志というか、迫り来る感じが怖くて良かった。

時代が時代なので連絡手段が固定電話のみというのも閉塞感があって不安を催す。終盤の主人公のように悲鳴を上げて近所に助けを求めてもハロウィンだし、そもそも治安が悪いので相手にされない。
友人の方からも頻繁に連絡が来るでもなし、向こうが受話器のあるところまで赴いて掛けてくるか、こちらから掛けない限り状況が分からない。この絶妙な不安感はこの時代のホラーならではだなぁ。

ちびっこが観ているホラー映画が監督繋がりで『遊星からの物体X』と思いきや『遊星よりの物体X』なのは不意打ちでちょっと笑った。よく考えたら監督の方はショッキング過ぎて子供にはダメか。
笑ったとこで言うと担当医師がマイケルの実家張り込み中に、子供達が肝試ししようと入りそうになったところで声色変えて脅かしてるのにニッコリした。直後に保安官に声かけられて盛大にビビる医師にも笑う。なんともいえないコメディの塩梅。

それと主人公が窓から庭を見下ろしてあの有名ミームである洗濯物に紛れるマイケルのカットが見れて思わず笑った。これは笑いどころじゃないけど。

マイケルの末路はリメイク版と同じく2階から庭へ落下。降りて確認しにいくと忽然と姿が消えているオチ。この辺リメイク版はオリジナルリスペクトだったんだな。
それで言ったらオープニングもかなりリスペクトだ。開始早々あのはちゃめちゃにカッコいいマイケルのテーマが流れてぶち上がった。ホラー映画の音楽ではやっぱりこれが一番だ。まあエクソシストのやつもたまらないけど。一位タイということで。
2024-07-19