ドラゴン危機一発

唐山大兄

製氷工場の同僚がある日忽然と姿を消す。何かの秘密を知り消されたと思われる事態に、主人公は社長を突撃する。

ドラゴン危機一発

唐山大兄

地味に見てなかったブルース・リーを履修。これがゴールデン・ハーベスト初登場作らしい。wikiで知ったけど元々主役はホイの人だったところをブルスリのインパクトが強すぎて交代になったらしい。早速エピソードが強い。

単身タイへ訪れたリーの就職先が実は麻薬の密売を行う極悪組織だった話。
親戚を頼って気の良い仲間たちと共に製氷工場へ勤めたは良いものの、工場では時折姿を消す労働者がいた。彼らの共通点は最後の目撃情報が社長邸宅だということだ。
ある日また同僚二人が忽然と姿を消し、社長を疑った正義感の従兄弟(リーの)が邸宅へ直談判しに行ったところ、彼もまた行方不明となってしまう。今や現場責任者に昇格していたリーは満を辞して社長の悪行を暴きに動き出す。

香港映画らしく、容赦なく人が死ぬ。あんなに良いキャラだった従兄弟もやられてしまうのは悲しい。からの仲が良いメインの同僚たち、住み込みの少年までジェノサイドされるのはショッキングだった。子供もやる辺り香港のコンプラ事情は一味違う。

そして主人公候補だった従兄弟と比べるとブルスリのオーラはやっぱり凄まじい。というかあの動きはブルスリにしか出来ないんだろう。そもそもご本人が編み出した武術だものね。速くて強くて正確、ジークンドー。構えというか型が非常にかっこいい。チェンが取っ組み合って死闘を繰り広げるのに対して、ブルスリは一発の重みで決めていくスタイル。それもまた痺れる。

母との約束で中盤まで暴力封印モードなため、溜めのターンは結構長い。工場でネックレス破壊されてやっと無双するのは王道だけどカッコ良い。一人一発ですものねえ。これで主任に昇格するけど、ヒロインの言うとおり何も解決出来てないので笑う。警察に行くつもりが酒宴で泥酔して朝帰りしたりと、寄り道の多いブルスリ。でもそこでワンナイトした社長の女から重要情報を聞き出せたり結局優秀である。

どうしても笑うのは母との約束のネックレスを取り出す度に儚いメロディが流れるやつ。一回目は普通に見てたけど、その後手に取るとき毎回必ず流れるから面白い。工場で乱闘が勃発してる中で取り出した時もねじ込んできたからダメだった。笑い取るつもりじゃなくてあれなら凄いぞ。

他で言うと最終決戦の間に人質を解放する女子の「社長と主任が外で戦ってるわ」のセリフもじわじわ来た。それはそうなんだけども、どんな状況だ。

関係ないけどブルース・リー、どことなく兄に似てて愛着が湧く。
2024-06-30