ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

The Super Mario Bros. Movie

謎の土管でマリオはキノコ王国に、ルイージはクッパ城に飛んでしまう。王国とルイージを救うためマリオはピーチ姫とキノピオ隊長と共に立ち向かう。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー

The Super Mario Bros. Movie

評判のやつ、配信されているので鑑賞。

スケールもシンプルさもファミリー向けな優しい塩梅。ファミコン世代から最新世代まで網羅するファンサービスもたっぷり、しかしマリオを知らない層にも分かるような丁寧な演出。てっきり「皆分かるっしょ」的スタンスを想定していたので、さすがの任天堂。

きのこを食べたら大きくなったり小さくなったりする、ダメージを受けたら元に戻る。マリオやってれば当たり前の設定をきちんと説明しつつ、それを最後のクッパ退治で回収する鮮やかさ。だがしかしダメージを受けたら戻るの設定を若干蔑ろにしているのは気になった。クッパがちょいっと自傷すればすぐに戻れるではないか。クッパがそれを知らなかったにしても、エンディングで衛兵が小突いたりなんかして、それで復活させてしまったら文字通り戦犯になってしまう。なんて細かいことを気にしてはいけない。

マリオ系は一通り齧っていたのでずっと楽しかった。
マリオブラザーズがブルックリンにて配管工デビューし、初仕事に向かう途中の横スクロール演出は激アツ。上と下で二手に分かれるのも2Pプレイ感があって楽しい。車のロゴも音楽も最高〜。

ピーチ姫はきのこ王国で異種ながら王女を務める。まさか小さい頃に迷い込んでいたとは、もうそのエピソードからどうにか両親と再会してくれないかと願いながら見てた。あんなに小さいうちから行方不明ってことでしょ……もぞい……。最後まで再会は描かれなかったし。
ほんでクッパが王国に攻めてきた時に、ピーチが避難要請したとはいえ城の衛兵も一人残らず逃げたのはちょっと愕然とした。クッパ軍に立ち向かったの王女と一人のキノコだけて。秒で祖国捨てますやん……とか突っ込んではいけない。

クッパはコンプラ的に令和仕様になっていたな。ピーチ姫を誘拐して強制結婚などはしない。スターを手土産にプロポーズする計画を綿密に立てる。その上でそれを手下たちに発表したら「……それってどうですかね?」とちゃんと疑問を呈される。時代だなあ。
唐突なクッパの弾き語りは絶妙なピーチゴリ押し歌詞でだいぶ笑った。エンドロールで知ったけど吹き替えがジャック・ブラックらしくてまた笑う、納得のギャグセン。他もピーチ姫がアニャ・テイラー=ジョイだったりマリオがクリス・プラットだったり豪華。クリプラはほんと凄いな、演技というかマリオとしての完成度が。

全体的にゲームネタ盛り沢山でありがたい。ドンキーコングとの決闘は例の赤ハシゴが舞台だったり、マリオの三段ジャンプがゲームに忠実なフォームだったり、地下BGMの連弾でシークレットコインのコンプリート音まで再現してたり。マリオカートのカーチェイスなんか大はしゃぎである。レインボーロードのショートカットだの直線ドリフトだの青甲羅自爆は熱かった。

クッパの結婚式にキングテレサやキングボムへいが出席してるのも微笑ましくて好き。次はこの辺のボスラッシュも見てみたいところ。
次といえば、ヨッシーの登場を期待していたのに野生のヨッシーの群れちょい見せだけで寂しかったところにあのオチ! ヨッシーアイランドで続編作っちゃうんじゃないのか。楽し〜み〜。無関係だけど一推しのほねクッパが出てくれたら喜ぶ。

あとはサントラ以外に流れるポップスが軒並み親世代でちょっと面白かった。子供の付き合いで来た親御さんにも刺さるようにしたのかな。

最初から最後まで食らったのは映像美! ここ最近80〜90年代映画ばかり観ていたのを差し引いても、かなり綺麗な映像にずっと感激してた。10回以上は「映像綺麗ね〜」て呟いてた。イルミネーションの映像は華やかで鮮やかで全角度とにかく綺麗〜。イルミネーションを選ぶ任天堂のチョイス、ヨシ。

色々と回収が雑な部分はあれどファミリー層にぴったりなピース映画だと思う。まずゲームしてたら問答無用にテンション上がるしな。
ピーチが攫われずルイージが人質になるのも地味に時代を感じたけど、配慮なんてそんなもんで良いと思う。ホラー担当はルイージだしね。その辺の捌き方が本当に上手い。

意外に水中ステージは無かったので(ウツボは出たが)これも次に気合い入れて出てくるかな。
2024-06-17