大雨の洪水で孤立した古アパート。一階の水没で停電状態の夜、アパート内で黒魔術の儀式が行われ逃げ遅れた住民を恐怖が襲う。
タイトルが漢字二文字のホラーは観たくなる。哭声、哭悲、そして呪餐。こちらはインドネシア映画のようだ。インドネシアホラーもなかなか侮れない。 だがしかし、ドーンと出てきたタイトル(原題)に思いっきり「2」と書いてたので「に、二作目だー!」とショックを受けたけど、流れでそのまま見た。普通に前作と繋がってる設定あって損だった。原題で2って言ってるんだから邦題も続編ってことを表しておくれぃ。ちょいちょいあるこの現象。 おそらく一作目と同じ家族がメイン。で長女が主人公。前作で母親を失ったらしいその家族が、洪水で孤立したアパート内にて黒魔術の儀式による怪奇現象に襲われる話。 洪水で孤立する前にも既に怪奇現象は起きていた。住民が挙動不審だっり、ダストシューターから人の声がして子供が引き摺り込まれそうになったり。 最初のパンチはエレベーター事故。そもそもがボロボロのアパートで何もかもが古い中、住民たちは日常的に定員8人のエレベーターにぎゅうぎゅうに乗っていた。その日も定員オーバーで乗り込んだところエレベーターが止まり、そのまま落下。 10人以上の遺体がそれぞれの部屋に安置される中でアパートが孤立し、停電し、恐怖の一夜の幕開け。嫌〜。 まずエレベーター事故が恐ろしくて酷い。停止した段階で僅かに開いた隙間から少年を外に出せたが、少年が一生懸命手を伸ばしても耳の聞こえない母に届かない。同乗した大人たちは我先にと少年に追い縋る。結局エレベーターは落下して母は助からない。 もっと酷いのは下にいた少女たち。エレベーターの真下に大量の小銭が落ちているのを発見した少女たちが駆け寄って拾い始める。頭上からの異音に気づいた一人が急いで飛び出て「早く出て!」と叫んでも少女たちは夢中で拾っている。結果、彼女たちは落下したエレベーターに潰されて生き残った少女が全身に血を浴びる。最悪だ。 子供もやられるホラーはメンタルに来る……。生き残った少女も散々な目に遭ってシクシクである。母親の最期も酷い。 アパートでなんやかんやバラバラに行動する主人公家族が、それぞれアパートの恐ろしい秘密の手がかりを掴んでは怪奇現象に襲われる。長女は母を失った少年と、長男はギャルと陽キャ青年と、次男は愉快な仲間たちと。父親は単独行動。それでもメンツは合流したり分散したり孤立したり、ひっきりなしに展開するので楽しい。確実に殺されてはいく。 勿体無いのは一作目で登場していたらしい三男の存在。こちらは顔を知らないのでサプライズ登場されてもマジで分からない。ただの子供に何をビビってるのか分からなくて思わず巻き戻した。行方不明のはずの三男だからとのこと、はぁ〜もったいない。 やられ方も怪奇現象も普通に怖い、宣教師のエクソシスト状態はビビった。 明滅する灯りの途中でキン! と遺体がこっち向くのはマジで心臓止まるかと思った。ずっと暗いし、映画館無理系ですねこれは。停電がこんなにも不安になるのは文明に浸かってしまったからなのか、暗所恐怖症の気があるのか。中学時代の夜間ハイキングがトラウマに近いので後者の可能性も無きにしもあらず。映画館は平気だけど。 終盤の急展開もむごたらしくてキツい。現場にいたら気が触れそう。 父さん分解されたあたりでもうバッドエンドか? と思ったら激アツ展開で無事に生存ルート。これだからインドネシアホラーは素敵。MVPは暗黒手話を使えた少年である。 悲惨なシーンも多かったけど、なんだかんだ胸糞全滅エンドは回避して想定より多くの生存者を出せたので良かった。改めて一作目も観ておこう。