誕生直後に生き別れた双子が成長し、ボンボンの天才音楽家とケンカ最強のアウトローに。コンサートと闇取引が駄々被りして大騒動。
いよいよ90年代のチェンを追う。チェンマラソンが思いの外終わらない、さすがのキャリアだ。楽しい〜。 これだいぶ面白かったし楽しかった、大満足。『ライド・オン』の回想で知らなかったシーンもここで発見したので嬉しい。 アクションもあるけどそれ以上にドラマ要素が超楽しい。なんてったって真逆のチェン二人が立場ひっくり返されてドタバタだもの。王道おもしろい。 悪チェンの境遇はちょっともぞい。誕生直後の病院で悪党に人質に取られ、助かったものの通りすがりの酔っ払い女に拾われる。 そのまま治安の悪い街で逞しく育ち、車整備の傍ら兄貴分とヤンチャに暮らしていた。 人質に取られなかった方の善チェンは両親のもとで清く正しくすくすく育ち、ニューヨークにて天才音楽家として大成する。 ある日ゴタゴタに巻き込まれてニューヨーク行きとなった悪チェンとその兄貴分、と兄貴分が猛アタックしている美人歌手。 善チェンの方はコンサートのためにホテルに泊まり込んでおり、そこでお偉いさんから娘をゴリ押しされていた。ところがどっこい娘さんにはチンピラの彼氏がおり、早速目をつけられて善チェン大ピンチ。 そんな時に美人歌手を連れ立っていた悪チェンと偶然入れ替わる。絡んできたチンピラ彼氏をぶちのめす悪チェン、その男らしさにハート撃ち抜かれる娘さん。一方で音楽の造詣が深く誠実で上品な善チェンに惹かれる美人歌手。それぞれが勘違いしたままいい感じになっていく。楽しい。 プロジェクトAからのポリスストーリーで全部持って行かれた身としては悪チェンの方が好きではある。強くあれ。 やんちゃな悪チェンの方が弟っていうのも何か良い。基本下の方が自由なもんだ。悪チェンは柄にもなく片耳ピアス&髪縛ってて新鮮。見分けつけやすくて助かる。 中盤過ぎて佳境に入ったあたりのカオスっぷりが楽しい。善チェンが悪党のボスの護送車襲撃に加担させられている一方で、悪チェンがオーケストラのコンサートの指揮をさせられる。どっちもめっちゃ嫌で笑う。自分なら普通にメンタルが耐えられないので襲撃の方がマシ。 普通にボスと初対面な善チェンの「あ、あなたボスなんですか?」に対してボスの「ん。」の返事がめちゃめちゃ面白かった。広東語なのにこの絶妙な返事はやばかった。 悪チェンの兄貴分を二人で助けに行く最終決戦はいよいよアクションがえげつなくて最高だった。80年代を思い出す攻防とアイデア戦法。 ステージが港からの三菱自動車工場という流れも良い。チェンの三菱推しからのスポンサー付きという話を聞いたけどここまで来ると嬉しい。 善チェンは一般人だし兄貴分も別に戦えるわけではないので、ひたすら悪チェンに頼りまくるスタイルが楽しい。敵に遭遇するたびに悪チェン呼びまくって助けを求める感じ。 敵もチェンが二人いるのに全然気づかないから善チェンに一発入れた後「俺の蹴りは最強だぜ……」って自惚れた後、入れ替わった悪チェンに普通に躱されて「俺の蹴りが……」となる流れ。ずっと楽しい。 工場の車絡みのアクションがはちゃめちゃ。『ライド・オン』で見覚えなかったシーンもここで補完。体張るアクションなら80〜90年代を予習しなきゃいけなかったなあ。 最後は期待していた善チェン操り戦法が炸裂して大喜び。そうそう、それを見たかった。 映像にしてもこの時代にこんなに精巧に合成できることに驚き。流石に二人が重なるところは若干歪むけど、お話楽しむ上ではそんなに気にならん。楽しかっただろうなあ。 何故かレンタルが中国版しかなくて吹替えが入ってなかったけど、絶〜対に吹き替え面白いでしょこれ。観たすぎる〜吹き替えのためだけに買うかぁ〜?