心霊写真

インドネシアホラーを観たのでタイホラーも観る。ムエタイもの以外たぶん観たこと無かったタイ映画。

普通にビビり散らかした。薄目で「ｺﾜｲ……ｺﾜｲ……」言いながら観てた。映画館で観るのはキツいな。
どーん！　ていうジャンプスケアーの見せ方がいやらしい。写真に写り込んだ女性の横顔をジッ……と見ていたらキン！　とこっち向いてきたり。撮影所が真っ暗になって一定のリズムでフラッシュが焚かれる怪奇現象では、明るくなる度にドーン！　と来そうでビビり倒した。案の定目の前に来たし。マジでご勘弁。

カップルが轢き逃げした女性の霊に執拗に付き纏われる話。でもちゃんと女性の正体に裏があってサスペンス的な趣もある。彼氏の方が女性にした仕打ちだとか、彼氏の親友たちの非情な振る舞いだとか……。かといって彼女の方は完全な巻き込まれかと言ったら、普通に轢き逃げ張本人なのであながち潔白でもない。その点に関してはカップルに対して共感も同情せず、神の視点で見れる。

大オチで彼氏の肩がずっと重かった原因が判明するけど、まさかの肩車だった。幽霊肩車。この大オチの絵面でちょっと笑ってしまった。おんぶとかもうちょい他に無かったか。ビビって暴れる彼氏に落ちないようにガッと掴みかかってましたし。両目を塞いでいたテイにしてたけど絶対あれは落ちないように掴んでた。
でもエンディングの、壊れてしまった彼氏の異常に前傾の座り姿にはゾッとした。さらりと見せる最後の見せ方もオシャレ（？）。

中盤のホラー編集社訪問にて出された心霊写真が普通に恐ろしい。「でも加工で作れるんだろ」と突っ込んだら「じゃあポラロイドなら？」で出された写真もこれまた怖い。な、何かしらで加工してらっしゃるんでしょ……と思いながら観てたけど、エンドロール後に「心霊写真の提供をしてくださった方々に感謝申し上げます」メッセージが見てﾌﾟﾙﾌﾟﾙ震えた。そりゃずるいぜ。

主人公側の過去の仕打ちが普通にドン引きだったのであまり悲しい気持ちにはならなかった。そりゃあ恨まれるわ。うち一人が結婚式挙げて幸せの絶頂になったから発動したのかしら。
でも彼女には基本手を出さなかったあたり、やっぱり幽霊さんを悪い奴には思えない。彼女が彼氏の仕打ちを暴いたのも幽霊さんのアピールで発見できたものだし。物悲しい話だ。

若干気になったのは轢き逃げした時点では既に生き霊状態だったってことかな。直接の死因は睡眠薬自殺らしいし。探していたのかな……。