世紀末にて、一人の少女が悪党軍団に攫われ母を殺される。軍団を抜け砦に潜伏し、警護隊長となって復讐に向かう。
一週遅れで鑑賞。前夜に復習でさらりとデス・ロード観ようと思ったらやっぱり面白すぎてしっかり観てしまった。 しっかり観たのが良くなかったのか、デス・ロードの後だと微妙だった。 先の展開が特に気にならず、この後どうなっちゃうんだ〜!? というワクワクも無く。フュリオサの第一目標がよく分からず。復讐のキレが無く。クリヘムにカリスマ的要素も無く。そういう演出かもしれんけど。小悪党感が拭えず、こちらとしては一番あかん"勝てそう"感が漂っていて。 デス・ロードの一本芯の通った内容と、展開気になり度が凄まじかったので、それから観るとどうにも。 フュリオサの第一目標は故郷に帰ることなのか……そうは言っても我々はフュリオサが帰れないことを知っているので希望を持てない。 帰ることが第一だとして、それを決行するタイミングが特に来ないので歯痒い。弾薬畑に向かう前、V8に乗せられたあたりで「これで単独で故郷へ行くのかしら?」と思ったらそのまま畑まできちんと向かったので「決行しなかったのか……」となり。 そこからジャックがやられたのでクリヘムを殺すことが第一目標に切り替わったのかなと思うんだけど、復讐の時には母殺しへの恨み節がメインだったしな。 復讐、そう復讐のターンが〜個人的には微妙ポイントだ。 メル・ギブソンのマッドマックス一作目も復讐オチだけど、キレキレのむごたらしい復讐で、見ているこちらも「マッドマーックス!」となる終幕だった。フュリオサはすぐ殺さない……ド派手にはやらない……たっぷりクリヘムと対話をした後、まさかのナレーションで復讐内容がオチ付けられてしまう。うそーん。 なんならクリヘム軍vsイモータン・ジョー軍の戦争も特に映らない。フュリオサも別に参戦しない。おおかた片付いてから戦地に赴き、車を調達してから敗走するクリヘムを追う。まあ効率的か。 クリヘムに植えられたのはあの大事な種だと思うけど、母の仇を養分にするんかいと思ったり。ならば種もみ爺さんならぬジャックの墓に植えたらばと思ったり……。 先の展開にワクワクしないのは、自分がフュリオサだけを応援していて、イモータン・ジョーも砦もぶっちゃけどうなっても構わないと思っているからだろう。 ガスタウンの占拠、弾薬畑の襲撃……知らぬ。全部奪って故郷を目指すか、単騎出陣して仇を討つか。トム・ハーディの気概だったらやってくれそう。 クリヘムへのヘイトがメルギブのときほど溜まらなかったのも、主に被害こうむってるのがジョー派閥だからだろう。母殺しは娯楽でなく緑の地の資源欲しさだったしなあ。 とりあえず戦場で獅子奮迅の活躍をするフュリオサか、それが無くても現役の鉄馬の女たちの勇姿を見たかったので若干物足りなさがあるのかもしれない。母ちゃんは凄く良かった、もっと見たかった。 大絶賛コメントの割に劇場は盛り上がっていなかったので同じような人も多いのかな。前作テイストを期待していくと違くはある。 あくまで情勢に揉まれる一人の人間だったフュリオサを描く、というスタイルなら今回の形に落ち着くのかもしれない。 デス・ロードの方が好きだな……と思ったところにデス・ロードの映像が差し込まれて嬉しかった。 途中にも丘の上にマックスらしき人がいてテンション上がった。 そういえばウォータンク右ハンドルだったな。日本車か。