ノリと勢いで生きる青年が伝説の鞭使いの鞭を拾い、出来心でなりすましたことから熾烈な宝の奪い合いに巻き込まれる。
暇な時はチェン映画。80年代以前は時代劇が多いな。おかげさまで戦いの舞台が草っ原ということが多い。これは混乱しそうだぞ。 珍しくカンフーのカの字も心得ていないチェンの回。カンフーを使うにしても最後までカンペを手放さない斬新スタイルだった。 根無し草のチェンが勤め先を求めてぷらぷらしていたらひと悶着。逃げ出たところで男の決闘に出くわす。鞭使いの男が賞金首の悪党と相打ちになった現場だった。ちゃっかり鞭の男になりすまして悪党を引き渡したチェン。報酬をもらってご満悦だったが、このなりすましが原因でとある宝の奪い合いに巻き込まれていく。 時代劇ものではあるけど、いつもより更に昔の時代設定っぽい。衣裳がより民族っぽいし、何よりチェンのヘアスタイルがいつもと違う、はちゃめちゃロング縛り髪だ。建物も更に遡った感じで、中国史には詳しくないけどとりあえずいつもより昔らしいのは分かった。 なのでチェンの放浪っぷりもかつてない自由度。一度会った人に次も会えたら奇跡レベルの移動をし続ける。 そんな中で謎の風来坊に幾度も出会い、その度に胡散臭い必殺技を教わる。喧嘩で律儀に再現してみるが役に立たず。鞭のスペシャリストになりすましているだけ、何度も絡まれては何度も惨めにやられる情けないチェン。 宝の奪い合いで激化していく争いの中、風来坊に何枚かの紙を渡される。それがカンフーの奥義を記したカンペであった。そしてラスボス戦では落ちたカンペを拾い読みして打ち勝つ。戦いながら成長するタイプ。 この風来坊、多分『醒拳』の店主とか『酔拳』『蛇拳』のエセ師範代やってた人だと思うけど、身綺麗にすると普通にハンサムだな。ずっと小汚い格好だけど最終決戦に助っ人に来た時は綺麗な格好をして来る。ちゃんと強い役これくらいしか無いんじゃないか。お気に入りです。 景色があまり変わらないので終盤ちょっと退屈だったけど、全然戦えないチェンというのも珍しくて楽しかった。 それでもラスボス戦は長尺で動きまくるので凄まじいスタミナ。ラスボスのヅラが取れて「ヅラだったのか!」と叫んだ後それをヌンチャクのようにさばくのは笑った。顔面に当たってやっぱり使いこなせなかったけど。 カンペ見ながら戦うからカンニング・モンキーか。流石にタイトルが醒拳、蛇拳、天中拳と続いたらごっちゃになって来るしな。