アリータ バトル・エンジェル

Alita : Battle Angel

ディストピアで技師が拾ったサイボーグ少女は戦闘特化の軍事兵器でした。邦鬱漫画のハリウッド実写化。

アリータ バトル・エンジェル

Alita : Battle Angel

ジェームズ・キャメロン!?日本原作!?バトルエンジェルSF大作……!?『銃夢』実写化のこの作品、映像が凄そうという理由で観に行ったらもう映像どころの話じゃなかった。舞台は天空のユートピアと、その下で落ちてくるゴミの中で生活を強いられるディストピア。この映画で印象的だったのはそのユートピアが全くと言っていいほど映らないところ、貧困層の人々は皆天上の国に夢を抱き思いを馳せる。すごい闇をひしひしと感じる。いいぞ。そんなある日、ガラクタに混じって落ちて来たサイボーグの頭部。拾った技師のお爺さんが娘のボディーと合体して生命を与える。サイボーグ女子は記憶を失っていたが、信念と暴力を通してどんどん覚醒していく。他にも自警団システムや強化ボディー実装とか世界観の良さを一個ずつ挙げるとキリが無いけど、この荒廃した世界で人外少女が己の存在証明に葛藤しつつユートピアの統括者をブン殴りに行く姿勢はストライク。そして人に言えない個人的な趣味、欠損戦闘が実現する唯一のヒロイン来た。片腕両足吹っ飛ばされても右腕一本でぶちのめす。サイボーグならでは、かっこよすぎて震える。全体通して殺陣が早くて最高。そして極めつけなのは邦漫画特有の鬱要素!!なるほど15歳以下には見せられないトラウマになりそうなシーン展開。誰もが自由を手に入れたいだけなのに、略奪、殺戮、裏切り……狭められた選択肢の連続が精神を突き崩しにくる。ハリウッドではなかなかお目にかかれない、こういうのが大っ好き。
2019-02-22