ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ

Five Nights at Freddy's

トラウマ持ち青年が深夜のピザ屋警備バイトをしていたら、マスコットのロボットたちが動き始める。

ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ

Five Nights at Freddy's

あのゲームの実写化!! 同じくファンの姉と共に鑑賞。三週目の一日一本上映レベルの頃になって行ったけど、ホラー映画とは思えないほどの満席っぷりで驚いた。こんなに沢山の人と一緒にホラー観るのはついぞ無かったことなので、何かテンション上がった。有名配信者がやってたりするらしいし、やはり知名度が高いということか。

鮮烈なインパクトを残した初代リスペクト!!
いやあのゲーム性は衝撃だった。自分の知ってるホラーゲームといえば銃を持って走り回るバイオ系か、ライトを持って歩き回る呪怨系くらいだったところに……。
ただ一箇所から動かず数台の監視カメラを確認しながら、限りある電力の中でドアロックをかけたり外したりして一週間の夜勤を耐え忍ぶ。
ホラー×作業性の斬新さに加え、敵からの攻撃はいきなり画面いっぱいに大音量で飛び出してくる豪快ジャンプスケアー。しかもこれで一発死。避けようの無いこのビビらせ方の恐ろしさは今もトップクラス。姉は映画でこれ来られたら死ぬであろうと怯えていた。

アニマトのメンツも初代の四体、凄まじい再現度で感激。この映画はとにかくこの初代メンツの再現度だけでもう満足。元のサイズ感はもうちょい小さいのかもしれないけど、質感といいデザインといいイメージのまんまで驚いた。有名なところに依頼したらしい、職人技である。

設定も初代のままピザ屋の夜間警備。テーマパークみたいに立派なピザ屋だけど、向こうにはピザレストランというものがあるらしい。さすがピザの国。

でもストーリーは映画版でガッツリ作り込まれていた。警備バイトの青年のバックグランドがしっかり描かれて、展開も単なるお化け屋敷映画ではなくサスペンス要素があった。
目の前で弟を誘拐された少年時代の夢を毎晩見ては、犯人を突き止めようと腐心する病んだフリーター青年が主人公。両親が亡くなったことで反抗期の小さな妹の面倒も見なければならず、精神的にも参ってきた主人公はバイト先でやらかして無職に。職探しをするも自分に残されたのは廃業したピザレストランの夜間警備のみ。
いけすかない叔母に妹を奪われないよう、主人公は腹を括って夜勤を開始する。職場が曰くつきのレストランであるとも知らずに――。

めちゃめちゃ気になるのは夜間警備なのに当然のように睡眠薬を持ち込んで寝込む主人公。真相を突き止めたいのは分かるけど勤務中は駄目でしょ。しかもよりによって警備のバイトで爆睡は無断欠勤と変わらないでしょう。これだけは主人公のモラルを疑った。そんなに突っ込まれないのが不思議。

中盤まで強盗を容赦なく殺すお化け屋敷モノだったけど、小さな妹が遊びに来てからは善の心を持つ一面を見せて展開が動き出す。普通に堂々と意志を持ってコミュニケーションし始めたから「そういう映画か……」と若干眠くなったけども。

ちゃんと不穏な方向に展開していって、好きなヒトコワのジャンルに発展したので楽しい。結局不審者のおじさんが存在として一番怖い。登場のしかた恐ろしくてニヤニヤした。

しかし娘、警察になってまで父の犯行を黙認はヤバいだろう。いや犯行協力のために都合が良いから警察になったとか? そんな簡単になれる職では……やっぱりちょっと納得いかない。目の前で子供の犠牲が増えるのを黙って見ているとは。最後は立ち向かったからOKだけど。

ちなみに初代FNAFは全キャラレベルMAXの最高難易度で挑んでいるプレイ動画が永遠のお気に入り。ニコニコ動画時代のガ◯チマンね。延々と無心でカメラとドアロックをガシャンガシャンし続けるシュールさよ。それでも確実に電力は途中で切れるので、朝6時までを暗闇の中でひたすら待つ"お祈りタイム"はお約束。また見よう。
2024-02-23