有名だけど観てなかったのでついでにレンタルして鑑賞。何かと茶化されてる印象だったけど普通に面白いじゃないか! わたし好きよ。
ウキウキで湖畔へ遊びに行く若者五人組を何故か監視する大掛かりな組織。「今回は失敗できない」と何やら意味深な発言を繰り返す職員たち。道中に老人と遭遇させようとしたり、カップルを良い雰囲気にさせようとしたりと組織は妙な仕掛けを発動していく。この湖畔の休暇は組織によって仕組まれていたものだったのだ。
やがて夜になり地下室を発見した若者たちは、そこに積み上げられた様々な物を触り出す。そして主人公が手にしたのは忌まわしい家族の日記。ラテン語で書かれた復活の呪文を唱えてしまったことでゾンビ一家が蘇ってしまう。その異様な様子を監視する職員は「今回はゾンビ一家か」と口にする……。
ぶっちゃけ若者たちのターンだけを見ていたら『死霊のはらわた』と駄々かぶりだけども。組織の陰謀が見えてからが超展開。
組織の根回しもあって順当に一人ずつやられていき、残り三人になった時。体育会系男子(クリヘム!!)がバイクで崖を越えようとしたが、見えないシールドに激突して奈落の底へ。それを目の当たりにした主人公は生前のダウナー系男子が発していた「誰かに仕組まれている」(意訳)という言葉の意味を理解する。何者かが自分たちを湖畔に閉じ込めて全滅させようとしているのだ。
結局生き残っていたもう一人もやられ、最後の主人公もゾンビに襲われ絶体絶命。
監視ルームでは全滅達成を早々に祝い乾杯を始めていた。ところがボスから一本の電話が掛かり、「まだ生存者がいる」とのこと。慌てて映像を確認すると、死んだと思われたダウナー系男子がゾンビを殴り倒し主人公を助けている!
しかもダウナー系はゾンビたちが湧いて出た墓の中を調べ、組織の本部へ通じるエレベーターを発見していた。二人が乗り込むとエレベーターは水平に移動し始め、窓の向こうにはおぞましい怪物が次々現れた。それも幽霊や狼男、半魚人と多種多様。
地下室で手にした物によって、ここから送られてくる怪物が決定される仕組みだったのだ!!
なんとしても二人を全滅させなければならない組織は総動員で始末をしに向かうが、追い詰められた二人は緊急ボタンを押す。それは有象無象の怪物たちが管理されている部屋を全開放するスイッチであった……。
面白かったので全部書いたけども。エレベーターを発見してからの怒涛の展開がだいぶ楽しい。
こんなに各国の異形が一度に介する映画は地味に見たことが無かった。お祭り感がB級っぽくはなってしまうが、どこかSCP財団を思わせるような"怪異を管理する組織"ってワクワクするね。こうやって見るとSCPも統一感はあったんだな。
やっぱり嬉しいのは失敗ゼロの組織が日本だってとこ。日本側のシーンはちゃんとした日本語でこっくりさんを召喚してるし、想像以上に丁寧なリスペクトがありがたい。「日本人だぞ、休暇など取るか」的なセリフは笑った。100年前から社畜根性のジャパニーズ。
オチの雑さもまた味がある。何も解決せず最悪の事態が起こって終わるけど、主人公たちが人間に殺されるわけではないのでまあハッピーエンドか。
全国で失敗するリスクあるなら普通に極刑待ちの囚人とか闇バイトで集めた人々で儀式遂行してもらうとかは出来ないんだろうか……何も知らない無関係な若者を身勝手に全滅させるよりマシだろう。
2024-02-23