国宝を外国に売り飛ばそうとする盗賊団。それを阻止するため団の副官が宝を持ち逃げし、村の青年二人が巻き込まれる。
ご飯のお供にまだ見ぬチェン。時代劇ものの中では面白かった! 珍しくチェンが金持ちの息子且つカンフーが未完成のままラスボスと戦い抜いた回。 大抵の場合は孤児か住み込み修行生活の庶民設定なチェンだけど、今回はお金持ちのお坊ちゃん。なんなら華族の雰囲気。でもキャラはいつも通りなので、勉強も稽古もサボり倒す。お手伝いさんや家庭教師も全面的に協力するから優しい世界。 心なしかいつもより衣装も洒落ているし、時代劇モノのファッションで言えば今回はだいぶ好きな方。 金持ちアピールは特にしないけど、人が困ってる時は「ここは全部うちの父さんが弁償する」とか「この村で一番大きい俺のうちへ運ぼう」とか気前が良い。あくまで金持ってるのは家と親父という線引きも大人だ。女の子にアプローチするときも一切家柄を出してこないのも好感。実家の太いガキ大将。 そしてカンフーがそれほど炸裂しないのも楽しい。稽古はサボっているので別に武術を極めていないチェン。でも謎の自信で相手が大人だろうがヤクザだろうが大勢だろうが立ち向かう。 基本ほぼノーガード、隙だらけなので割と食らうけど反撃も当たる。なんでもありなストリートファイトスタイルである。 お話的には幼馴染の親友と女の子を取り合いながらワイワイ過ごしていたチェンが、国宝を外国へ売り飛ばそうとする一門とそれを阻止するため国宝を持ち出した男の追走劇に巻き込まれる。 雉を捕まえようとしたり凧を回収しようとする度に極悪一門とぶち当たるチェン。じわじわマークされている中で逃走する男を匿ってついにボスと相対する。 エンタメと戦いのボリュームがたっぷり。ラスボス戦が熱い。ガキ大将がガチな大人相手に殴り合う。 酔拳2といい、中国の民にとって国宝は本当に大事なんだな。な◯でも鑑定団でも石坂浩二が国宝を自腹で買い取って国に寄付したっけ。熱いなあ。 未完成だからこその必死感と死闘っぷりがワクワクする。まだ子ども()なのに最後は「一緒に死のうぜェ!」てラスボスともども高所から落ちようとするのは面白かったけど危ういやっちゃ。なんとなく金田くんを思い出した。 ギャグ要素も面白くて楽しかった。試合はいちいちめっちゃ長いけど。実況の吹替えは圧巻だった。メタネタもぶっ込むし何よりしゃべりすぎである。すごいなあ吹替え翻訳の人……。 時代劇・アクション・コメディ要素のバランスと質がじわじわ最盛期に近づいている感じ。監督チェンだったのか。