バタリアン

The Return of the Living Dead

陸軍極秘の死体蘇生薬をうっかり漏洩させてしまう診療所のベテランと新人。復活した死体をどうにか隠蔽しようとするが、化け物は大量に増えていく。

バタリアン

The Return of the Living Dead

  • 陸軍極秘の死体蘇生薬をうっかり漏洩させてしまう診療所のベテランと新人。復活した死体をどうにか隠蔽しようとするが、化け物は大量に増えていく。

  • カテゴリー
    ホラー
  • 公開年
    1985

  • 監督
    ダン・オバノン

  • 主演
    クルー・ギャラガー

なんか有名なのでレンタルしてみる。
いきなりタイトルが「The Return of…」なので二作目なのかと焦って確認したけど、そういうことではないらしい。よく見たら『The Return of the Living Dead』だけど、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の続編orリメイクってわけでもないようだ。作中で「『ナイト・オブ(略)』って映画は観たか?」て会話があったし。パロディか。

ゾンビものだけど序盤の勢いが面白い。
最初に「これらは全て真実であり、登場する施設・団体・人物名は全て実在する」と言い切った後にいきなり"UNEEDA Medical Center"でこれはふざけた映画なんだなと悟る。"オマエハココイッテロ診療所"的なニュアンスか。

診療所にて新人の青年に死体蘇生薬の存在をこっそり教えるベテランおじさん。地下室で実物を見せてやるとうっかりガスが漏れてしまい、まともに食らった二人は気を失う。ガスは施設内に行き渡り、保管していた死体が復活してしまう。
目を覚ました二人は事態に気付き社長に連絡。駆けつけた社長と共に揉み消しに苦心する。
一方青年の友達である不良軍団も冷やかしに診療所へやってくる。青年の恋人に制止され敷地内の墓地で退勤時間まで時間を潰す。
しかし社長一行が復活死体を火葬炉で焼却処分したところに雨雲が発生し、蘇生薬が雨となって墓地に降り注ぐ。復活した100体の死体に囲まれ現場は陸の孤島となる。

序盤の一体の蘇生死体に阿鼻叫喚、半狂乱でバラバラにしたあと隠蔽方法で揉める生々しさは良かった。ゾンビというより不祥事が焦点になっていてサスペンスみがある。
大量のゾンビが発生してからはソンビパニック映画だけど、そうなる前のリアルなラインが楽しいのよね。

不良集団が流れで合流しちゃう展開は『デモンズ』と同じか。イカれギャルがゾンビ化するのも二作目と一緒だけどどっちが先かな。

ゾンビは走るタイプ。見た感じ腕力は弱そうなんだけど、とにかく死なないのが厄介。頭を破壊しても他の部位は動く。バラバラにしても各部位が動く。
目玉だけ新鮮に復活しているのを見るに視力は機能しているらしいから、目玉を潰してしまえば攻略出来そうな気はするけど誰も試しはしなかった。
大体みんな不意打ちか数の暴力でやられているので、落ち着いて迎撃できれば勝てそうではある。全員一般人なのでどうにも歯痒い。

死体処理のおじさんはゾンビを一体捕まえて尋問したり、生態を理解しようと努めていて良いムーブだった。
良いムーブといえば第一被害者のベテランおじさんは印象的。徐々にゾンビ化が進行し、みんなが駆け回っている間に部屋を抜けて一人火葬炉へ。結婚指輪を外してキスしながら家で眠る最愛の妻に一言「許してくれ」と呟き、自ら炉に飛び込む。
久しぶりにホラーでジーンときたけど、何もかもこのおじさんのせいなのよね。面白半分で蓋を開けて新人に死体を見せようとしたから……。やるせない。

オチもインパクトある。ぼーっと見ていたら「あれ……?」という流れ、からの「ええー!?」爆発オチ。うそーん……全滅か? でも国家機密ってそういうもんよね。マジでおじさんの大罪っぷり取り返しつかないぞ。残された妻が色んな意味で不憫。
勢いがあり救いのないご機嫌なゾンビもの。
2024-01-27