コカイン・ベア

Cocaine Bear

コカインを食べてハイになった熊。その森に入った子供達を探す母、コカインを回収しにきた売人コンビ、その他諸々が襲われる。

コカイン・ベア

Cocaine Bear

コカインでハイになったクマ〜と何やら馬鹿馬鹿しい雰囲気の予告で気になってたけど、思ったより勢い良く人が惨殺されまくる獣害パニックだった。親や子供とは観れないな。

全体的にはコミカルなんだけど、熊の容赦無さは本当にこんな感じなんだろうなと思えて恐ろしい。
そして思いのほか登場人物が沢山出てきて、それぞれの展開がどんどん重なっていく。気楽に観るには若干込み入っている脚本。

なんやかんやでとある運び屋が森に大量のコカインをばら撒いて死亡した。
たまたまその森でハイキングをしていた夫婦。学校をサボって森の奥の滝に向かっていた少女と少年。二人を探しに来た母親。協力を求められて出動した森のレンジャーと管理人。ボスの命令でコカインを回収しに来た売人の男とその相棒。ハイキング客を狙ってうろつく不良少年三人組。通報を受けて駆けつけた救急隊員二人。死亡した男の足跡を追って森に入った警察官。
これら一同がコカインでハイになった熊騒動に巻き込まれる。
改めて書くとやっぱり多いな。バカリ⚪ムの脚本みたい。

メインは娘を探す母、次にコカインを回収したい売人チーム。
この売人お気に入り。ボスに忠実でHIP HOP、不良少年三人に襲われても15秒でノす。ファッションもこだわっていて熊に遭遇しても冷静。何発か撃たれてもどうにかする耐久力。好きです。
相棒もキャラが濃い。最近に妻を亡くして傷心中のところボス命令で駆り出される。そもそも足を洗ったのに巻き添えを食らっていて不憫だが、コカインの場所を聞き出すため共に行動する不良少年とは打ち解けていて微笑ましい。カタギの味方お兄さん。

それはさておきグロ描写がしっかりしてる。子供と女性はむごい目に遭わない倫理観だけど、それ以外はしっかりぐっちゃりやられてしまう。
後から知ったけど監督女性だったんだな、いさぎよい演出である。

主人公補正というか、メインキャラはなかなかやられないのはちょっとご都合展開ではある。熊の巣まで連れて行かれて何故か無事な娘。取っ組み合いになるも無傷の相棒。仕方ないか。

殺しのバラエティは豊か。ただ引っ掻き食われるにしても木の上だったり意表を突いたテクニカル攻撃だったり。救急車の下りは流れもやられ方もむごたらしくてエキサイティングだった。一生経験したくないシチュエーション。

コカインを求める熊なのでコカインから離れれば良いわけだが、回収しなければならないジレンマは映画的。母親も子供たちのため熊の巣へ近づかなければならない。矛盾のない理由づけ。だがしかし先に見つけた少年を最後まで一緒に連れ歩くのはビビった。すぐ発見したんだから先に帰すべきでしょう。熊の巣まで同行させたのは理解しがたい……そこだけ気になった。

メインの善人(親子と売人コンビ)とワンちゃんが生き残ったので個人的にはハッピーエンド。諸悪の根源である非道なボスは悲惨な最後を遂げてスッキリするし。(しかしこの俳優さんの遺作となったらしい。RIP。)

事実に基づいているとのことだけどどこまでが事実なのか。wikiを見た感じだと「森に大量のコカインをばら撒いた者がおり、それを食べて死亡した熊がいる」ことは少なくとも事実らしいけど。まあそんなもんじゃないかなあ……。
2024-01-28