師匠を裏切って破門となった兄弟子を追うが、悪党にハメられ弟ともども指名手配される。
手が空いたらチェンを観る。これめ〜ちゃ面白かった、個人的チェン映画の中でも5本の指に入る(暫定)。 吹替えのセリフ量が楽しすぎていつも吹替え版で観てるんだけど、そろそろ気づいたことがある。音楽勝手にガンガン入れてるよね。ちょっとシリアスなターンでBGMがめちゃめちゃ主張してくるから「なん、なんだこのBGMは」と一応字幕版を確認しに行ったら、全然別物だし何なら音楽無しのとこもあった。これ多分『酔拳』とか他でもやってんな。 流石にみんなわっかい。凄いよ、ユン・ピョウが登場したよ。思わずワーッとリアクションしてしまった。 単純に展開が面白い。後からよく考えたら配分がめちゃくちゃだけど観てる分には超楽しい。 固い絆で結ばれた兄弟子が師匠を裏切って道場を飛び出し、弟分のチェンがそれを追う。兄弟子は悪徳流派が持ちかけたうまい話にまんまとハメられ、護送中の大親分を助け出す襲撃に加担させられてしまう。そこで白扇を持ち歩いていたばかりに「白扇を持った男」が指名手配されることに。 運悪く先に警察に目をつけられたのは同じ白扇を持っていたチェンの方。身に覚えが無いまま警察隊に襲われ、警察署長の息子に襲われ、警察署長に襲われる。チェンはめっちゃ強いのでだいぶ逃げたが、とうとう署長に捕まり連れ回されてしまう。 その間に大親分の一味が銀行強盗を働きチェンの無実が発覚するが、兄弟子が全ての罪を被せられていることを知ったチェンは自分が大親分を警察に突き出す代わりに兄弟子を解放して欲しいと署長に取引する。 チェンが冤罪で署長に連れ回されるターン、何度も逃げて何度も捕まる下りがやたら長尺で楽しい。この辺の配分が後から思えば全然省けたんだろうけど、ギャグシーンの連発でだいぶ楽しいのだ。 底なし沼に落とされたあと署長も落として逃げたチェンが、署長宅と知らず風呂借りるシーンはコメディ全振りで好き。面白ければ良いんだ。 何よりどれよりアクションの尺が凄い、たっ……ぷり格闘する。楽しい〜。 ちょっと訪ねた先での用心棒との一戦でさえガッツリ。絡んできた署長の息子とも三回戦ぐらいする。風呂借りた署長の娘とも思ったよりしっかり戦う。ああ、署長とも熱く戦う。銀行強盗とはめ〜っちゃ戦う。ラスボス大親分とはその比にならないぐらい戦う。 ジョン・ウィ◯ク4で戦いすぎだ笑と笑ってたけど香港も洒落にならない。 ラスボスの身のこなしがま〜〜かっこいい! 炎天下の護送でシナシナだった親分が、解放されて水分補給してからのキレよ。ちょっと衝撃でかなり興奮した。明らかにそれまでの登場キャラのカンフーとは次元の違う何か。何の格闘技だろう、足技メインでモーションがいちいちカッコいい。 シンプルにこの熟練度にチェンが敵うのか……? と思ったらちゃんとラスボス戦でフルボッコにされていて良かった。 今まで観たチェン映画の中でも特にボコボコにされてたな。本当に太刀打ちできない感じ。好きなジャンルなので晩酌のツマミになったけど。 これは間違いなく署長の息子なり兄弟子なりが加勢して強い絆で打ち勝つやつだな、と思ってたら誰も何も助けに来なくて最後までチェンが頑張ってた。 どうやって挽回したかというと酔拳だ。いや酔拳じゃないけどもうダメだというときに水タバコ? を飲ませられてガンギマリファイトである。 これも凄かったな、もう痛みを感じないからノーガード戦法で楽しい。速度もキレも増してテンション上がった。それまでのファイトは若干テンポ悪かったので「チェンも若いからか」と思ってたけど、ここの速度と差つけるためだったのかな。 チェンのキャラもやたらしょぼしょぼしていて好き。女連れ込み係をやらされてビクビクしたり、師匠にバレそうになってアワアワしたり、兄弟子が出て行っちゃいそうになって「タイガァ……」ってグスグスしたり。ここの泣き言なぜか何度見てもめっちゃ笑う。言い方かな。 しかし泣きながら師匠に「俺を嫌ってるでしょう。もう出て行くから殴るなら今しか無いですよ」「何度も捨て子と言われたら悲しくて暮らしていけない」はしんみりした。つらいな、そりゃ……。和解できて良かった。 兄弟子を起点にした話のはずなのに話が進むにつれてどんどん兄弟子の存在感が薄くなって行くのは何故なのか。ユンピョウとかラスボスの存在感があまりに大きいからか。 とりあえず話とキャラと格闘が好き。