サンダーアーム

隙あらばチェン。大好きな80年代だ、観てみよう。相変わらず内容と結びつけにくいタイトル付けちゃって。原題掠っても無いんじゃないか、どうなんだ。

前評判によればチェン最大の怪我はこの回らしい。オープニングの木に飛び移るところ、枝が折れて結構な高さから崖に真っ逆さま。エンディング中に曲をぶった斬って救急車のサイレントと共に事故映像はビビる。血を映すな！

そんなわけでオープニングのチェンは短髪だがいつの間にかロン毛になっていく。コメントで後頭部の怪我を隠すためとあったけど、そんな無茶な。さすが監督、誰も止められん。

多分『プロジェクト・イーグル』と同じ世界線。"アジアの鷹"ジャッキーがお宝を巡ってグローバルに活躍する。
元カノを攫った怪しい組織から伝説のお宝と引き換えだと言われ、元カレのチェンと今カレのアランが組織の正体を探るところから体を張るのだ。
チェン映画にしては珍しく相棒ポジションの男がとても弱い。格闘のかの字も心得ておらず、ひたすらチェンに宙ぶらりん。このアランがひたすらおとぼけキャラなので、チェンのキャラも珍しくツッコミに徹するナイスガイ。ちょっと寂しい。

共に行動する人物はもう一人、交渉用のお宝を用意してくれた白人お嬢さん。ビジュアルが最強である。そしてこちらは射撃がイケるので非常に優秀な人材。終盤は出番が無かったけども。出番が無くなるのは元カノが合流したからだけど、この合流からも一悶着あって面白い。

とりあえず今回の敵が邪教徒というのがまず楽しい。後半はそのアジトに潜入して元カノを救出するターンだけど、そんなファンタジー感がワクワクする。
ていうか潜入方法、邪教が街で若い女たちを集めてアジトに連れて行ってお楽しみタイムを過ごすのに混じるって。ファンタジーだけどそんなに子供向けではないバランスがまた楽しい。

クールなチェンに寂しさはありつついつも通りアクションは良。格闘というより体張る演出が印象深い。冒頭の大事故ターザン部分もだけど、気合い入ったカーチェイスとか崖下りとかバルーンへのダイブとか。あのダイブどうやって撮ったんだ。
「俺が一度に相手できるのは二人までだ」と宣言した直後にめちゃめちゃ大勢相手に無双してたのは笑った。女性4人衆ファイトもインパクトはある。

まあ楽しいけど強いのがチェンだけなので物足りなさはある。最強トリオを立て続けに観た後だからというのもある。
そしてハッピーエンド風だけど伝説のお宝が爆散したのが気になって。あれ貸してくれたおじさんと絶対揉めるじゃない。気になるわあ。