ノーマークだったけど映画館で流れた予告が面白そうだったので公開日直後に鑑賞。
殺人犯を乗せた旅客機が不時着した島は反政府組織の巣窟でした。機長はジェラルド・バトラー。絶対面白い。
結果、面白かった! もうちょっと長くても良いけどなあ。確認したら100分だった、やっぱり気持ち短め。体が2時間映画に慣れてしまったのもあり、「あれ、もう終盤? もうひと祭りあるでしょ?」と思ってしまう物足りなさ。村脱出のターンで絶対もうちょい展開できそう。
シンプルに話が面白い。
ベテラン機長のジェラルド・バトラーが新年一発目のLCCフライトで客13人(うち一人警官)+護送中の殺人犯を乗せて東京へ出発。しかし嵐にぶち当たって電気系統が全滅、どうにか近くの島へ不時着する。その間に警官が死亡。
機長は腹を括って殺人犯の手錠を外し、救助を呼ぶため探索について来るよう協力を求む。二人が探索へ行っている間に、待機していた乗客たちが武装した連中に人質として攫われてしまう。彼らが降り立った島は反政府組織が根城にする危険区域だったのだ。
こういう二人組は大好き、これこれ。極限の状態で殺されるかもしれないと警戒しながらも、信用する他ない状況。
最近に観た主題よりブロマンスごり押しの日本アニメとは違う、このヒリヒリする緊張感ある距離感が好き。へへへ。
殺人犯のキャラが良い。基本大人しいし、終始ジェラルド・バトラーのことは「機長さん」と呼ぶ。機長と二人きりになって相手が武器を持っていないことを知るや否や姿を消す、絶妙に信頼できない感じ。(しかし後にガチガチに武器を調達して戻ってくる、最高。)
何よりデカくてムキムキなので「絶対強い……」という威圧感。しかし19歳で捕まって10年ちょい服役してたはずなのに、獄中でも筋トレに余念が無かったということか。
後から分かるけど元軍人らしい。この状況において元軍人の心強さは凄い、そりゃ手錠外したくもなる。
だがしかし、ジェラルド・バトラーも着替え始めたら凄い体をしている。なんだその腕の太さと体の分厚さは。なんと機長さんも元空軍だった。キタキター!
LCC本社側で危機管理おじさんが身元を調べて判明したことだけど。空軍から大手の航空会社に勤務、そこからどんどんしょぼいところへ異動して最終的にLCCのいちパイロットに……。「一体何があった?」ごもっとも。大手時代に客を殴った泥酔客に手を出して処分されたらしい。良いじゃない。
機長、急に襲われてもシバき返していて見事。取っ組み合いで相手の顔をグイグイ押し返すのは有効なのかな。確かに頭反ったら力入らなそうだな。勉強になる。
殺人犯も現役でめちゃ強い、強いというか殺人に躊躇が無いので機長と比べて精神的余裕もある。
反政府組織がかなり残虐で恐ろしい。某組織を連想させる人質動画とか……生々しくて無理。乗客を囲んだ時からむごい。逃げ出した女を撃ち殺した後、大騒ぎするその恋人を押さえてその場で斬首。斬首て……自分だったらもうこの時点で全部ぶっ垂らして号泣する。思っていたより敵が怖すぎる。話し合い出来なさそうな感じが"やっぱりやるしかない"という結論に落ち着くので分かりやすくはある。
そんな乗客たちを救出するため組織の支配する村に潜入するターン。これ楽しい、ステルス戦だ。不謹慎だけどゲーム化したら面白いだろうな。
殺人犯がサクサクころして行くのでスムーズ。でも逃走ルートには武装した敵がうじゃうじゃ……ここで機長が丸腰で敵前に現れて注意を逸らすと言う。
結局機長は一人とっつかまって命の危機になるけど、ここで緊急の救助部隊が助けに来る。これ、機長が一人で捕まるところから多分もうひと展開出来そうよねという。尺の都合で部隊が間に合った気がしてならない。「救助早!」と思ったもの。
流石にそっからサクッとは帰らず、今度は飛行機を直して全員を逃すため頑張る。部隊はヘリで来たんじゃないのか……と思ったけど、全員は乗せられない的な感じだったのかな。
機長と副操縦士が必死で点検と飛行準備をしている間に部隊+殺人犯が組織の追手を食い止める。銃撃戦だ。
ここで忘れられないのは部隊の中に一人桁違いの奴がいる。やたら威力の強いライフルで車越しに着実に撃ちまくるアジア人スナイパー。「何者なんだ……」て敵に呟かれてたけど、マジで何者だったんだ。最後まで別に触れられてなくて地味に気になった。
結果、最初の数人以降はむやみに乗客はやられず、殺人犯も金を手にして逃げおおせ、機長も無事に全員生還したからハッピーエンド。
副操縦士がめちゃくちゃ死にそうで心配だったけど生き残って本当に嬉しい。全体的にキャラが良かった。もうちょい観たかった〜。
2023-12-09