メイズ・ランナー3 最後の迷宮

Maze Runner: The Death Cure

ゾンビウイルスが蔓延する世界、暴走する研究機関に捕らわれた免疫持ちの親友を助けるため立ち向かう。

メイズ・ランナー3 最後の迷宮

Maze Runner: The Death Cure

二作目観たし三作目も久々に鑑賞。もはやゾンビ要素も無くなってきたけど話は相変わらず面白い。
二作目ラストでミンホが攫われ、今回はその救出&組織壊滅が目的のお話。

オープニングでいきなりミンホを乗せた列車を襲撃して車両ごと奪還したが、その中にはミンホではなく同じ境遇の若者たち。まあいきなり救出できたらほぼ終了してしまうしね。

ゾンビウイルス蔓延世界で免疫を持つ貴重な若者たちは、巨大組織ウィケットにどんどん捕らわれ被験体にされてしまう。非道な迷路実験を生き延びた親友ミンホもまた、高い壁に囲まれたウィケットの研究所に連れて行かれてしまった。主人公は生き残りの仲間と反乱軍、貧しい生活を強いられる壁外の人々と力を合わせてミンホの救出とウィケットの壊滅に向かう。

一作目で死の迷路実験から脱出、二作目で悪の施設から逃亡、三作目で悪の本拠地に殴り込み。なかなか楽しい三部作。そして相変わらず主人公の有能っぷりと芯のブレなさに感服する。こういう人物がリーダーになるべくしてなるんだろう。

ここでようやっと迷路実験の目的が分かる。免疫持ちに強烈な恐怖を与えると抗体がより分泌されるらしい。モ◯スターズ・インクの悲鳴採集の要領だ。捕らわれたミンホは施設で拘束され、延々とトラウマの悪夢を見せられる。これは辛い。
ヒロインがウィケットの思想に共感して研究者側になるわけだけど、このミンホに対して「本当にごめんなさい」で済ませようとするのはひどい。拷問と違わない気がするぜ……。ヒロインに殴りかかるミンホ、まあ無理もないと思ってたら引き剥がされた後のミンホの手にはこっそり抜き取ったヘアピンが……!
主人公に負けず劣らずミンホの優秀っぷりも凄まじい。スタミナ&走力も作中イチだし武器も格闘もイケるし、これミンホも記憶無くす前は相当な人材だったんじゃないか? 熱いわ。

かつ、二作目あたりからうっすら分かってきたのは免疫持ちが必ずしも抗体持ちではないということ。
選ばれし免疫持ちの仲間たちも噛まれれば感染していたのだ。しかし抗体持ちかどうかは死の恐怖を味わわなければ分からないわけで。まして被験者側からしたら誰がどうかなんて毛ほども分からないので、結局感染リスクは等しく感じる。
というか噛まれたメンバーは軒並み感染していたので免疫ってなんやねんと思っていたら……主人公は抗体どころじゃない遺伝子を持っていた――! というオチ、どんだけ主人公なんだ。熱いから良いけど。

そういえば一作目ラストで死んだはずのギャリーが復活して再登場とは。ちょっと無理があるけど主人公が全然心許してなくて良かった。無実のチャックをころした罪はデカい。チャックの遺品を三部作大事に持ち歩いていた主人公に泣ける。

それにしても一作目から金髪イケメン親友ポジのニュートがとうとう最後の最後でゾンビになってしまうシーン……。これは久々に見ても辛い。結構な尺頑張っていたしギリギリ助かりそうな絶妙なラインだっただけに、間に合わなかったのが虚しい。まあ、主人公・ミンホ・反乱軍の戦士と並んだら確かにニュートは戦力的に若干の不安があったけど。甘い世界では無いんだな……。ニュートからも遺品を預かった主人公、友達の遺品ばかり増えるのキツいだろうなあ。

ニュートショックのデカさでラストのヒロインの死をマジで忘れてた。人類を救う薬を作る担当なんだからまあ生き残るだろ……と思ったら主人公の目の前で炎に落ちてしまったから普通に驚いた。本当に一ミリも覚えてなかった。
とはいえ生き残ったところで反乱軍視点だとただ裏切って危険な目に遭わせてきた奴だから、かえって後腐れなくて良かったかもしれない。主人公も新たな出会いを期待しようよ。

ミンホが生きていれば万事良し。
2023-11-25