テリファー 終わらない惨劇

Terrifier 2

ハロウィンの猟奇殺人事件から一年後、犯人のピエロが再び惨劇を繰り返す。

テリファー 終わらない惨劇

Terrifier 2

あのピエロ定義を全無視したご機嫌ホラー、テリファーの二作目。普通に出ても観るつもりだったけど、前評判にて劇場で嘔吐する客が出るレベルと聞いたので興味津々。その劇場に居合わせること以上の恐怖は多分無いので問題なし。

ゴア描写気合入ってた! もはやこの時代には珍しいCG無しの豪快な惨殺っぷり。18禁グロ、凄まじいなあ。
前は廃墟で来る人来る人をやりに行ったピエロだけど、今回はピエロ側がハロウィンの街を移動しまくる。そして無差別というよりは主人公に粘着してその周囲からやりに行く。相変わらず理不尽。何でこんなひどいことが出来るのか。リアクションでかいくせに徹底的に喋らないので真意は分からない。

今回も一作目と同じくらいの人数をやってしまうピエロ。テンポも良く手口もむごたらしい。
一作目もそうだけど、生身の人間っていう存在感が不気味。序盤の全裸で無に向かってアルプス一万尺してる姿とか自分が遭遇したら卒倒レベルの恐ろしさ。
特に女子にとってこの不審者の怖さは異様。その点主人公が女子大生(女子高生?)なのが拍車かけてる。お店で遭遇して中途半端に絡まれるリアルな怖さよ。

しかし一作目に続き納得いかないのは主人公にだけやり方が甘くなるピエロ……。進行上仕方ないかもしれないけど、これまで問答無用で惨殺していたのに主人公が相手になった途端シンプルに殴る蹴るとか、気を失っただけでその場を立ち去るとか。死ぬ気で戦って他メンバーの二の舞にならない様子を見たい気持ちもあるもんで。映画だからいいか。

それにしても前評判を聞いちゃったせいで「どのシーンで吐いたんだ……」と考えてしまい逆にハードル上がってた。
想像を絶する演出が来るのかと身構えてたから、「これか……いやこの後にもっと恐ろしいのが来るかもしれない」的な考えが頭を占めてしまい。まあ吐いてもおかしくないくらい悪趣味なシーンは沢山あったけど。

個人的には主人公のお友達が部屋で発見されるところが強烈だった。やられてる最中はいわゆるゴア映画らしい勢いあるキルシーンという感じだったけど、その後に帰宅したお母さんが部屋を開けた瞬間のあの光景。あれの方がずっとゾッとした。なんでだろう。やられてる光景はフィクションだと頭が理解するけど、やられた後の光景は「これまで本当にこんな光景が世の中にあっただろう」という妙な想像力が働いた。結局生々しさが想像力と恐怖に直結する気がする。吐いてしまう人はその分想像力が強い人だと思う。
あとは地味に最後の囚人のシーンが気持ち悪かった。ああいうのは吐き気を覚えるけど、多分目玉じゃないだろうし。どこで食らったんだろう、前評判の観客は。

でも一作目と違って主人公ポジションの人は最後まで主人公だし、何よりまともな生存者がいる時点でよっぽどハッピーエンドだ。主演の子がとてもビジュアル良くて眼福。
ぐちゃぐちゃにやられた若者たちはここからキャリアを積んでいくんだ、がんばれ。
2023-11-16