スマイル

久々に怖い！！！　ビビらせシーンでちゃんと全部ビビった。一つ一つのビビらせがテクニカルで見事。心臓ギュン！　とさせられるあまりドキドキでヘヘヘ……と笑みが出るレベルのやつ、これは〜良いホラーだぞ〜〜。

冒頭の第一被害者の一連のシーンも良いけど、その遺体にかけられた白布がこめかみから首にかけての切り傷で笑ったシミになってる演出、「ほぉ〜〜……」と唸ってしまった。こぉれは良いホラーの予感がビンビンする……というワクワク既にあり。

ジャンルもちょうど良い。オカルトとヒトコワの間くらい。
オチから言えば悲惨な自殺の目撃者となった人物が、不気味な"笑顔"の人物の幻覚を見るようになり、そして同じように誰かの目の前で自殺する。幻覚と同じ笑顔を浮かべながら。
精神科医の主人公は面談中の患者がその場で笑顔で首を切って自殺し、恐ろしい連鎖の次なる犠牲者となってしまう。
この最初の患者のシーンからキレキレでだいぶテンションが上がる。カット変わって急な笑顔、怖い。

お話的には主人公が幻覚で孤立して心身共に限界迎えていくパターン。夫や姉から見放され、休職して幻覚の原因と連鎖を断ち切る方法を求めて奔走する。幻覚もナチュラルなものからジャンプスケアーまで怖がらせのバラエティ豊富で良い。

テクい演出たくさん。初めに部屋の隅に佇んでる笑顔人見せた後、再出現はどこに映り込むかと画面に注目させといてからのまさかの大音量。ずるいわ。テープの録音に妙な声が聞こえたからボリューム上げて巻き戻して主人公と一緒に耳を澄ませてたら真横から大絶叫。ご勘弁。窓の向こうから歩いてきた姉の顔と挙動に警戒させてからの普通にノック、何だ？　と思った絶妙な間でとんでもないおどろかし。これも〜見事。あんなドンピシャで無警戒になる間に視覚ダイレクトにカマす妙、ただもんじゃないわ……劇場で絶対飛び上がってる。

終盤戦もただのエクソシスト対決と見せかけてタダでは帰らせてもらえない酷い展開。こういう幻覚が一番キツくて良いわね。ひどい結末だ。引いてる間に有無を言わせぬ「らりぱ♪らりぱ♪」のエンディングに悪趣味な〜とまた笑み溢れる。何か歌詞に意味があったりするのかな。

久々にちゃんとビビってフフフ……とニヤニヤしてしまうタイプのホラー。非常にGOODだけどもう観ない。