シス 不死身の男

Sisu

第二次世界大戦の末期。金塊を運ぶ老人の荷物を狙ってナチスの戦車隊が執拗に追い回すが、老人の正体は伝説の兵士だった。

シス 不死身の男

Sisu

ジョン・ウィック制作チームが関わってるならとりあえず観に行く。もうずっとアクションに飢えている。

キレキレアクションというよりは不屈の精神。これもう無理じゃないか……という状況の連続を機転と強運と力技でどうにかして切り抜ける。基本丸腰の金掘り爺さんが粘着してくるナチスの小隊に追われ、金塊を奪われ、復讐しに行く話。

時代背景もあって、ナチス部隊との攻防がいちいち生々しい残酷さで良い緊張感。最初の対7人素手アクションから凄い。お爺のやり方が実戦的すぎて恐ろしい。そりゃ武装した複数人相手で取っ組み合いとかしてる場合じゃないよな……。後から見たらR15だった。
次の攻防、地雷地帯で追い詰められてからの一連のシーンはだいぶ良い。最初にお馬さんごと吹っ飛ばされた時は不意打ちすぎて飛び上がった。からの銃を向けられた爺さんの咄嗟の対処、そして砂塵に向かってお爺の確認のため地雷地帯に部下を向かわせる中尉の非情っぷり……。なるほどこういう映画か……。この中尉最後まで冷酷無比貫いていて良かった。

捕虜になってた女の人たちは焼き討ちしたフィンランドの村から連れて来られたたもんだと思ってたけど、ソ連の人たちだったのか。
「私たちが一番よく知っている伝説の兵士」って、祖国の伝説だから知ってるんじゃなく、やられた側だから知ってるってことね。だからすぐに武器回収しようとしたり、本人に相対した時に微妙な膠着時間があったのか。自分もやられるかもしれない……っていう緊迫感ね。でもそこは爺さんの男気だった。対象はソ連の兵士だしな。
しかし終盤でソ連側って気づいたからこの辺の熱さは見逃してしまって勿体ない。ロシア語とフィンランド語の違いなんて分からないですよ〜……ナチス隊は英語喋ってますし……。若干の混乱はありつつ。

とにかく爺さんが不死身、その点においてはファンタジー入ってたけど。バイオレンスは濃いしお話はシンプルで見やすい。爺さん一言も喋らないのも渋くて良い。最後の最後にやっと喋った。
”シス”はフィンランドの言葉で翻訳不可能だけど”勇敢な”、とかそういう神秘的な存在ひっくるめて表現するらしい。全ての希望が失われた時に現れるらしい。シスといえば某宇宙戦争しか出て来ないけど、フィンランドから引用してたりするのかな。

とりあえず犬が死ななければ全てハッピーエンド。
2023-10-28