トム・ヤム・クン!

ต้มยำกุ้ง

村のゾウの親子を盗んだ悪党を追い、シドニーに繰り出した青年。究極のムエタイで海外暴漢を撃破していく。

トム・ヤム・クン!

ต้มยำกุ้ง

ちゃっかりセットでお借りしたので鑑賞。ハッ、監督が『マッハ』と同じだ。出演者もちょいちょい再登場してる。市川崑の劇団スタイルだ。ハム・レイの死を悲しんでいたところだったので転生後に会えて嬉しい。女の子ともまた仲良くなってるし。

アクションはこっちの方が好きだ! 凄い技はスローでリプレイ…という見せ方もグッと減り、ノンストップでガンガン展開していく見せ方。障害物競走な演出も無くなって、パルクール的なスムーズでスタイリッシュなアクションへ。それでも階段とか狭いところでの対チャリとかチェンみを感じる香港要素もあって良い。
何よりどれよりやっぱり階段のとんでもない長回しアクションか。途中まで「お〜」て感じだったけどいつまでもノーカットで続くアクションに「え……?」となり最後の敵には「ぜ、絶対ミスるなよっ……!!」と手に汗握った。一生懸命カットの繋ぎ目見つけようとしたけど、ま、まさか……という感じ。そんで特典見たらガチの長回しらしい。どひぇ〜。映画初の4分間長回しアクションだって。でも時間制限あったって言ってて何のことやと思ったらフィルムが一本4分までらしい! ひぇ〜長回しな上に時間はみ出してもいけないとは……最後の方の敵役のプレッシャー考えると胃が痛い。締めの「象はどこだ!」でマジギレしてる主役は笑う。

終盤のめっちゃ大勢相手のひたすらムエタイタイムも楽しい。ここに来て関節技縛りってのも面白い。ゾウをやられて怒り狂ってるところだから象の型を繰り広げたらしい。鼻の部分イメージかな? 「マトリックスにこういうシーンがあった」とのこと、二作目のスミス大量発生のやつね。インパクトはあるけどどんな戦い方してたか全然覚えてない。逃げ回ってもみくちゃになってなかったか。「マトリックスでは敵がみんな黒い服着てたから……」おや? これも敵全員黒いけれど……「真似して張り合ってみた」張り合うのか。そのスタイル好きだ。

そして個人的にブチ上がりなのは! 出た〜カポエラ〜!! やっぱり良いなあ、実戦向きかは知らんけど芸術性というかユニークさで言ったらやっぱりカポエラがダントツだ。これがまた一目で分かった、2009年の実写化『鉄拳』でカポエラ使いのキャラをやった人だ! 登場もかっこいいしビジュアルもかっこいいし舞台もかっこいい。炎に囲まれて水張った床でファイト。しかし僧侶をころして寺院に放火なんてタイ映画において何て暴挙だ。異教徒でもやっちゃいかんと分かるわ。人でなし……!

次に登場するアジア系の剣術使いもすっごい見たことあるから出演作見に行ったら、この人も鉄拳出てた。むしろ主役の仁だった。こ、こっちは思い出せなかった〜。その他もストリートファイター実写化でリュウやってるし、バットマンとかラッシュ・アワーにも出てる凄い人だった。気づかなかった〜。
すごい人といえばナイスガイ悪役のジョニー、ハリウッド経験あるって紹介されてたから何の映画だろう〜と思ってたら「トビー・マグワイアのスタント」「スパイダーマン2ね」でびっくり仰天。流石に顔面キックはまた別のスタントマンがやってて笑ったけど。豪華メンツが揃ってらっしゃる。

でも地味にモノホンの象との共演も凄い。あんなんちょっとでもはしゃがれたら大事故でしょう……いくら調教されててもビビって近寄れないわぁ。トニーは飼ってたって言っててビビったけど。一般家庭で飼うサイズじゃないでしょう。

キャラに関して主人公は相変わらずかっこいいけど、今回はシティ派なファッションだったな。優男な前髪に赤いスカーフ、洒落たジャケット……そしてコンバース。これ凄いな、最後までコンバースで戦ってたな。しんどそうだけどな。このファッションがタイのナウなヤングなんだろうけど、マッハのワイルドな感じの方がタイプだ。男は皆おでこと眉毛を出すべき。でも最終局面は上半身全部取っ払っていたので最高にワイルドであった。サワディカ。

そういえばマダムの性別いじりは何か意味があったのかな。特典でも別に触れられてなかったけど。タイということはニューハーフ? まあ、子も残せないしってことか。関係あるのか知らんけど。

今回は親ゾウさんがやられてしまって悲しいけど、転生ハム・レイは生き残った。子ゾウも生存したしとりあえずハッピーエンドで嬉しい。
2023-10-09