ケープ・フィアー

Cape Fear

出所した犯罪者が自分を敗訴させた弁護士とその家族に徹底的に付き纏い、地の果てまで追い回してくる。

ケープ・フィアー

Cape Fear

なんか面白そうだったので観る。お、若い頃のロバート・デ・ニーロだ。今の優しそうなおじいちゃんのイメージがあるけど、こうしてみるとやっぱり全然アウトローな雰囲気。

自分が弁護した犯罪者が出所後に永遠に付き纏ってくるスリラー。シンプルで良い。
実は弁護士の方が被害者に同情して、弁護するべきだった被告・デニーロに有利な証拠を隠蔽して敗訴させていた。誰にもバレなかったはずが、獄中で法律を猛勉強していたデニーロは真相に辿り着く。14年の刑務所暮らしを強いられたデニーロは復讐のため、勉強の成果を活かして法に触れないギリギリで弁護士一家を追い詰める。

陰湿かつ豪快な手口。俯瞰で見ればやっぱりデ・ニーロが卑劣な犯罪者なのに変わりは無いからそんなに同情はしない。弁護士が証拠をきちんと出したとして、減刑はされど冤罪にはならない。デ・ニーロの犯行と罪状は変わらない。

ただ弁護士の不倫相手14歳マジ? 嘘よね? ロリコン絶許大国のアメリカ映画で許されるのだろうか。不倫どころかデ・ニーロはGO缶してるし、精神的にキツい。なんなら14歳の娘にも手ぇ出してるしドン引きである。中の人は成人してるのかな、当然……。

倫理も終わってる犯罪者が執拗に追い回してくる内容だけど、流石に車の下に張り付いてクルーザーまで乗り込むのは映画だ。もう終盤は目ギンギンで法律ギリギリ作戦もかなぐり捨てていて恐ろしい。そんなにひどい目にあった恨みはあるんだろうけど、やっぱりやったことに変わりないし悪いのはデ・ニーロだ。その辺の微妙さもあって特にニーロへの魅力は無かった。
悪役メインの話で悪役の魅力がイマイチだと若干ノリ切れないけれども。復讐のためとはいえ14歳たぶらかす時点でちょっとね。死ぬまで追ってくる系は今の所『ヒ◯チャー』を越えるものにまだ出会ってない。

最終決戦のしぶとさは満足。やられてもやられても復活する、ターミネーター的執着心。結末も絶妙に弁護士が人殺しにならない最期。地味だけどめちゃくちゃ苦しい死に様だし、なかなか綺麗な終わり方。字幕にも出なかったデ・ニーロの死に際の呪文みたいな早口英語はなんだったのかな。流れ的に小説の一節だろうか。あれは狂気的でちょっとゾッとした。

観終わってから知ったけど監督マーティン・スコセッシか。シャッター・アイランドといい、興味を引かせるテイストだなあ。
2023-08-26