デモンズ

Dèmoni

チラシに誘われ友人と謎の劇場に訪れた主人公。上映されたゾンビ映画とリンクして、観客の一人がゾンビ化する。

デモンズ

Dèmoni

何かゾンビ映画が観たくて鑑賞。なんだか評価も高いし聞いたことあるし、良さそう。
いきなりダリオ・アルジェントの名前がドーンと出てきて「おおー!」となった。でも監督ではない、総指揮らしい。総指揮の欄も必要か?

そんなわけで久々のイタリアホラー。でもみんな英語。何故か一回目で字幕が出なくて大ピンチだったけど翌々日再トライしたら出てきた。

ゾンビ気合入ってて良かった。導入もゾンビ発生も、テンポと映像が良くて面白い。中盤から若干の中だるみはあったけど、生き残り2になったとこからお祭り状態で楽しくなった。
怪しい男から映画のチラシを受け取った主人公が好奇心で友人を誘う。長らく工事中だった劇場での公開で、主人公含め観客は皆初めて訪れる場所だった。なかなかに治安の悪い客層が集まる中、上映された映画の内容はホラー。肝試しをする若者たちが預言者の墓に辿り着き、そこで不気味な鉄仮面を発見する。ふざけて鉄仮面を付けた若者が恐ろしいデーモンに変貌し、他の若者たちを襲い始める。
同様に劇場ロビーに飾られていた鉄仮面をふざけて被ったギャルも、上映途中でデーモンと化してしまう。何も知らない観客たちに襲い掛かり、襲われた側も次々デーモンになってしまう。

第一デモンが非常に良い。ロビーで鉄仮面を付けたときに頬が切れて血が出るわけだけど、それが映画とリンクする。映画内の若者が鉄仮面を付けたときにギャル達も「お前の方が似合ってる笑」「何よ笑笑」みたいに盛り上がっていたけど、外した若者がギャルと全く同じように頬から血が出てたのは背筋がひんやりした。

あとは変身。これ凄い。出血箇所が脈打って膨らんで破裂する。爪が腐って剥がれて再生成する。鮮やかな緑色の血を吐き出す。インパクト大の大変身。やはりCGに慣れるとこういうダイレクトアナログ変身にグッとくる。デモン後のビジュアルも物凄いし。ギャルの美しさの欠片も残らないガチモンスタービジュアル。その他のデモンも気合入ってて凄まじい。

ド派手に変身するくせに後半は仲間が突然デモン化してるというスピーディーさ。びっくり要素ということだけど、進化を表現してるのかもしれない。ひょっとしたら。

しかし新しく感じたのはコレが単なるゾンビニックというわけでなく「劇場が呪われている」という点。怪しい使者を通して客を誘い込み、閉じ込め、呪われた映画を上映する。出口は突如壁に塞がれ、新しく迷い込む人間には扉を開ける。明らかに意思を持っている、超常現象が起きているのである。ゾンビという実体による攻撃に加えて、超常的な力も働いている、なかなか見ないスタイル。

大オチは最早ボーッとしていたので全然驚かなかったけど衝撃っちゃ衝撃。やっぱり渾身のデモンビジュアル、熱い。
2023-07-25