M3GAN ミーガン

M3GAN

完璧なAIロボット、ミーガンの第一号を姪にプレゼントしたエンジニア。しかしミーガンの周囲で不審死が相次いで巻き起こる。

M3GAN ミーガン

M3GAN

BH新作、なんだか面白そうなのでマークしてたやつ。TOHOでしかやってなかったので上映終了する前にレイトショーで鑑賞。

思ったより平和なホラー。ミーガンが主人公というより、それを開発したエンジニアと両親を事故で亡くした姪っ子の絆がメイン。ミーガンがターミネーター的な理不尽ジェノサイドを繰り広げる生物兵器ストーリーというわけではない。要素はあるけど。

まず小学生の子供がいきなり両親を亡くすオープニングで非常に悲しい気持ちになる。想像しすぎてしんどいのよねこの展開……。
そして職業柄、主人公エンジニアの状況がなんとも胃痛系だ。納品期限が迫って大ピンチのタイミングで目が離せない年齢の子供の世話。まず断るけども。そもそも自分が焦ってピリピリした状態のまま、非常にデリケートな精神状態の子供を見られるわけがない……子供に罪は無いからこそ断るわ。でもしれっとプレゼン一週間延期させてるのは笑った。そこはサックリ出来るのか。

主人公エンジニアが自分の技術と研究の完成形を世に出せる&育児もAIロボットに丸投げできて一石二鳥という魅力に取り憑かれ開発を続けるが、子供に本当に必要なのは全てを世話するAIではなく親という存在である……的なテーマ。実際、姪はミーガンにどハマりして保護者である主人公の言うことを聞かなくなってしまう。最初はミーガンの完成度と成果に喜ぶ主人公だったが、反抗的になっていく姪と周囲で起こる不審死にだんだんとミーガンへの疑念を抱く。それが確信へと変わると主人公はミーガンの廃棄を決意するも、もちろん姪は猛反発。話し合い、ようやく姪との絆が生まれた直後に廃棄したはずのミーガンが現れる……。

大体この手のやつで第一被害者は猫か犬だね。忠義を尽くすあまりご主人の脅威となる犬猫から始末する系、これで3つ目だけど今回は随分優しい。犬の遺骸は映らないし、手にかけたことも知らせていない。その点AIならではのスマートさがある。チョンパした上で主人の枕元に置いておいた『ハ◯チ』のおぞましさは段違いだった。

一応ロボットだから戦い方もなかなかカッコいい。クラスメイトの少年(青年?)に反撃した後のグインっと立ち上がって「次はお前が逃げる番」は痺れた。だけどそれ以降は人間臭い生々しいキルシーンだったのでロボット感はそんなに無い。それもAIゆえのスマートさと言われると納得だけど。やっぱり心のどこかでターミネーターを求めてるのかもしれない。「まだ紹介してない家族がいるの」は例外なく燃えた。

だがしかし。死ぬまで主人を守るよ――的な忠誠心が途切れたのはちょっと寂しい。何があっても主人である姪への愛は残ってるもんだと思ってたけど、最終的に「恩知らずのガキめ」発言でちょっと悲しい。やっぱり人間臭い、それがハイテクのAIということかな。あと単純に死亡フラグだよね。

殺人も振り返れば少ないし、終盤は対象のルールも特に無いので(進路にいたから?)だんだん何のために人をころすのかよく分からなくなってくる。姪への愛が無いなら、みんなころしちゃった後困るでしょう。やっぱり廃棄される運命だと思うけどな。死にたくない一心なのか人間への恨みなのか……やっぱりAIの考えることはよく分からない。

とりあえず主要ユーザーを子供に設定してはいけない。
2023-06-29