ポスターの吸引力すごいよなあ。話題のタイホラー、レンタルできたので観てみる。
久々のモックメンタリー・ホラー! どうしてもカメラワークはリアリティ無いとこもあるけど、普通に楽しかった。
タイの東北部、女神信仰の現存する村で唯一の霊媒師・ニムに密着したドキュメンタリーという設定。霊媒の力は一族間で代々継承されていたが、長女ノイがそれを拒否したためその妹のニムが受け継いで現在に至る。しかしノイの周囲では不審死が相次ぎ、取材中のある日からノイの娘・ミンの様子もおかしくなってくる。女神に選ばれた者に起こる症状に一致するとして、取材班は「女神の継承の瞬間をおさえることができるかもしれない」とミンへの密着も開始する。ノイは娘を霊媒師にしたくないあまりニムの忠告を聞き入れず、その間にもミンの病状と奇行はエスカレートしていく。ノイもニムも村の人々もあらゆる手を尽くしてミンを救う方法を模索するが、やがて取り憑いているのは女神ではない"何か"だと判明する。
ジャンルで言ったらカルトホラーか。やっぱりルールが曖昧で釈然としないけど、現象を楽しむという点では良かったかもしれない。ミソはやっぱり段々おかしくなっていく娘のミンか。最初は気性が荒くなる、素行が悪くなる、くらいの変化だったのが仕事もままならないほどの体調不良になり、ぐったりしてしまったかと思ったらいよいよ"何か"に乗っ取られていく。
やっぱり悪霊って下品だな。今回は動物の怨念も絡んできたからか人間的な倫理観が欠如した言動も飛び出ておぞましい。エクソシスト系の餌食になるのが女子供なのはこの下品さをギリギリ緩和するためかな。今回の娘のミンもびっくりするくらい美人だし。リアルなドキュメンタリーの流れだったけどこの娘の素人離れしたビジュアルで「ああ、映画だ……!」となるくらい。確かにあの乗っ取られっぷりが不潔で醜悪なおじさんとかだったら見るに耐えないとは思う。まあ好きな俳優だったら見たいけど。
ドキュメンタリーの醍醐味というか、「えっ死んじゃったの!?」という衝撃のターンがあって良かった。あれは本当に驚いた、タイミングも亡くなった人物も。久々にホラーでショックを受けた展開で良かった。人の命は儚い。
怒涛の終盤戦が目玉だろうな。娘を除霊するための儀式が最終決戦になるわけだけど、いやあタイホラーの物騒さを見た。
ぶっちゃけ全滅オチだ。これには驚いた、ドキュメンタリーと言うから撮影者の体験かと思ったら回収されたフィルムだったんかい。もう全然あかん感じ、悪霊に騙された人物のせいで儀式は台無し、除霊軍団は漏れなく乗っ取られ親族一同もジェノサイド。儀式の途中に邪魔が入って失敗して全滅の流れは完全に『コクソン』だけど、エンディングでハングル文字が出てきたからやっぱり製作陣に韓国勢がいたのかな。ぐっちゃぐちゃにやられていってしまう辺りから韓国みを感じていたけど、やっpりそういうことなのかもしれない。
やっぱり全滅は少なからず白けてしまうけど、全体の雰囲気は独特で良かった。タイホラーを初めて観た影響もあるけど、この雰囲気は十分魅力的だった。
我慢できなかったのかやんわり音楽(音効?)がちょいちょい入ってたのはちょっと気になった。ドキュメンタリー設定ならBGMは無いはずだ。徹底して良いのよそこは。
2023-05-19