やたら評価高いピエロ映画があったので観てみる。あったら観たくなる、ピエロ映画。
これ良かった!恐怖演出がキレキレで。ピエロがちゃんと生身の人間で好きなジャンルだ。
パーティー帰りの若者たちが酔った勢いでチラシにあったお化け屋敷に行く話。うら寂しい僻地にあるそのお化け屋敷に車で到着した一同は、先に入ったグループの壮絶な悲鳴に期待を膨らませていざ入場。中に入ると恐ろしい仕掛けの数々と"ショー"が開催され、やがて自分達がショーの見せ物に……。
お化け屋敷の演出なのかガチなのかのラインが非常に絶妙で良い。そもそも視聴者はガチの前提で観てるからこそ決定的なシーンが来るまでは「これはマジのやつ……? それともまだ……?」というドキドキもあり。メタ読みを上手いこと処理していて見事。
安全な道と危険な道の二択で妙に勘ぐったり、血や蜘蛛やチェンソーがマジなのか分からなかったり、剃刀の怪我が事故なのか微妙だったり。何よりお化け屋敷のコースが良い。棺に入って中から閉めれば次の道へ進める部屋とか、シーツ被ったマネキンまみれの部屋とか、真っ暗な通気口を通らないといけないとか。まあちゃっちいお化け屋敷しか行ったことないから基本かもしれないけど。強制的に一人ずつ進ませる構成とか、なんだか本能的に「進みたくね〜〜」となるような誘導が素敵。
ピエロの思惑がバレて以降のコースも好き。懐中電灯取らせてからは真っ暗とか、ドア開くの待ってたら正面から被弾とか。シンプルだけど心身に確実にダメージもたらす展開は良い。ただし客にピエロの格好させるのは先に日本の漫画でその手の展開を見たことあったので衝撃は小さく。色んなの観てると恐怖演出の新鮮さで評価するようになってくるのでなんとも。
とりあえずピエロ側は特に衝撃の事実とか壮大なプランがあるとかではなく、単に快楽殺人集団のようだ。客のスマホ回収してたけど壊してたし、遺体は最終的にお化け屋敷ごと燃やしてたし。ただゴールを用意していないのはちょっとね。行き止まりて。プロとしてゴールまでちゃんと作って欲しいところ。
しかし生き残り組の体力がえぐい。撃たれても撃たれても立ち上がり、最後は高めのフェンスを乗り越えて逃げる。やはり普段から鍛えておくべきか。
最後のシーンは無くても良いと思うけどスカッとオチにしたかったのかな。主人公読みすぎだとは思うけど。
関係ないけどアメリカの人って信用できない時めっちゃ名前聞いてくるね。後で訴訟するのか。でも大体の場合ファーストネーム聞いてるよね。どういう文化だろう。証明もできないのに聞いてどうするのか……こちらとしては可能な限り教えたくないけど。下の名前など特に。不思議。
原題「Haunt」は「巣窟、取り憑く」って意味らしい。これが受け身の「Haunted(ホーンテッド)」になって、「取り憑かれた≒お化けが出る」って意味になるのね。勉強になる。
2023-05-02