ブレンダン・フレイザー復活!! SFアクションホラーじゃなくても観る。フォーラム仙台とチネ・ラヴィータを間違えて一週遅れたけど。
おお……! 太ってる! 薄毛! そして開幕自慰。A24か。どんな姿でも良いよ。
主人公レズは爆増してるのに主人公ゲイは全然見当たらないな。かつ、その設定示唆するために必ずと言っていいほどスキンシップ映しがちだけど、今回は恋人現れないのでそういったシーンも無し。その代わりにゲイビデオかい。ヘテロじゃない人間設定の映像説明ってそんな難しいだろうか……。まあ展開のためならば仕方ない。
カタカナ多めで言うとホモフォビアとルッキズム主軸の、主人公と同じ境遇の人が見たらメンタル厳しいシチュエーションだった。現代アメリカってあんな感じなのかな。
醜悪+ゲイ+不倫で親友以外からは人間として徹底的に否定されまくる主人公。不倫相手だった恋人が数年前に自死し、ショックによる不摂生で歩けないほどの巨体になってしまった。一人で生活することもままならず、保険に入っていないため病院にもかかれない。看護師の親友が献身的に世話をしにやってくるも、ある日検査で危険値が出てしまいとうとう余命は1週間に。頑なに入院を拒絶する主人公が、残された時間に人と関わり、秘密を告白し、諦めていたものを静かに見つめ直す話。
普段観ないジャンル、この手のお話で自分的にありがちなのは登場人物に腹立つこと。やたらセンシビリティ過剰な人物ばかりになるんだもの。今回は娘が全然好きになれなくてしんどかった。
「友達がいない」「嫌われ者」「邪悪」という他己評価のキャラだからその通りに感じて相違ないんだけど、「実はいいやつ」「なんだかんだ憎めないやつ」な要素もほぼ無いのでキツい。「嫌われ者」の方向性がイタい。文学ディス・動物の遺骸写真投稿とかはただイタい思春期やなで分かるけど、すぐスマホでパシャパシャ撮ってきたり隙あらば下ネタとか笑えない不謹慎発言とかが非常にキツい。
そんな奴に対して父親である主人公は全肯定で愛を捧げたり顔色伺ったり、宣教師の青年も信心深いから強く言い返せなかったり。その様子に更に生意気に絡む流れだし。親父に対してその態度ならまだしも赤の他人の宣教師にもそれだから嫌悪感があるのかしら。
最終的には娘の行動が良い方向に転がったから父親も宣教師も喜んでたけど、「結果論」の三文字が頭をよぎるのは仕方がない。
でも分かってる、A24がこのモヤモヤを味わわせたいのは分かっている……。この娘を愛せないのは自分が若造だからに違いない……。
どんな酷い仕打ちを受けても娘を見捨てない父性愛は立派だけど、でもその父親育児参加してないじゃん。子だけ授かって家族捨てて好きな人と逃げて(養育費は払ってる)……残された妻がグレちゃった娘に愛想を尽かしたら数年ぶりに登場してきて「君は間違ってる、あの子は邪悪なんかじゃない」とか説教されたら自分だったらブチギレる。子が小さいうちに不倫して逃げた奴に何が分かるのさあ。まあ妻からそういうセリフは無かったけど、見てる側からするとなんとも。
発作を抑える『白鯨』のエッセイが恋人ではなく娘が書いたものだった、ていうのはグッときたけど、やっぱりやっぱりどうしても「でも育児参加してないじゃん」が出てきてダメだった。なんとでも言えるんじゃないか、そりゃ……。
恐ろしく感性を揺さぶるエモーショナルなお話かもしれないけど、個人的にはやっぱり父親の無責任っぷりがちょいちょい気になっていかん。妻側に投影するといかん。惨めな人間設定に引っ張られすぎた弊害か。やはり向いてないかもしれない。
関係ないけど娘が"苛立って荒々しく立ち上がるor立ち去りかける"→"何か言われて立ち止まる"→"黙って荒々しく座る"の演出多すぎて後半ちょっと面白くなってくる。マジで何回やったろう。立ち上がったら「お、やるか?」となってる自分がいた。ある意味素直な子だ。それも最後はその流れでエッセイ読んでくれたし、根っからの悪者ではないんだと信じたよ。頑張れ。
ただオンラインの教授が超巨漢でもマジで何とも思わないから価値観の違いかしら。めっちゃカミングアウト感あって学生も「Oh…」って感じだったな。まあ不潔だったら論外だけど……。結局大事なのは清潔感。
愛しいブレンダン・フレイザーどんなキャラでもビジュアルでも観に行くから今後もどんどん出演してね……お願いね……。
2023-05-03
2023-05-15