妻に黙って養子にとった赤ちゃんは悪魔の子だった。6歳の誕生日に悪魔は目覚め、惨劇が始まる。
有名だけど観てなかったシリーズ、レンタルしてみる。 『エクソシ○ト』の方が先なのか。系統は同じくガッツリ悪魔系。ダミアンは取り憑かれたというより悪魔の子らしい。 ダミアンが有名だから少年メインのホラーかと思ったら意外と影は薄い。メインはお父さんによる怪奇現象調査。 しょっぱなから業が深い。出産の際に赤ちゃんが亡くなったことを知らされたお父さんが妻にどう言えば良いのか頭を抱えていたところ、神父が同時刻に生まれて母を亡くした赤ちゃんを内緒で養子に取ることを勧める。葛藤する父だが同時刻の誕生・母を亡くした子というものに運命を感じて神父の言う通りにその子を実の子として産後の妻の元へ差し渡す。 イエス様ってその辺の倫理はOKなのかな。だって神父がOKしちゃってるよ、序盤から結構な衝撃。ていうか赤ちゃん亡くなったことをお母さんに内緒でお父さんにだけ伝えるってどんな状況だ。家父長制MAXの時代か? それよりも内緒で養子なんて大きくなったら似なくなってくるよ〜絶対いつかはバレるよ〜〜……など地味に心労を抱えさせられるオープニング。 しかしダミアンはすくすく育ってお父さんも大使に昇進、夫婦仲も良好で幸せいっぱいの家族となる。 様子がおかしくなってきたのはダミアン6歳の誕生日パーティーから。物陰に黒犬が現れて乳母をじっと見つめ、直後にその乳母は建物のベランダから飛び降りて首を吊ってしまう。 ぶっちゃけこの第一被害者の見せ方が一番怖かった。屋外パーティーの真っ最中で、招待された子供たちが沢山いる中「坊ちゃん!坊ちゃんのためですからね」と笑顔で叫んだ後に衆人環視で宙吊りだ。トラウマになるわ。この不気味さは一級品。その後ダミアンも犬にじっと見つめられ、恐らくこの時にダミアンの悪魔が目を覚ましてしまう。 割と容赦無く登場人物が死んでしまうが、悪魔の仕業なので全てが偶然の事故死として片付けられるやり口。良かったんだけどカメラマンの死に様だけ急に稚拙なスプラッタで面食らう。この時代は精巧な斬首とか難しいんだろうけど、ならば諦めて他の被害者と同じような見せ方で良かったんでないかしら。 活躍した悪魔の使者である新・乳母さんは地味に好きだったりする。感じの良い上品で素敵なおば様が、妻の病室に突っ立ってた時の表情がめっちゃカッコ良かった。本来かなり怖いシーンなんだろうけど、逆に最高にクールでした。魅力的な悪役は良い。 神父のポジションがいまいちよく分からなかったけどやっぱり被害者か。死相が見えて発狂してしまいろくに聞いてもらえなかった感じだろう。にしても大事なことは端的にはっきりと言わなきゃダメだと思う。そして神父とえば外の暴風の演出はどうやったんだろう、マジ嵐の時に撮ったのかな。それともこの時代でも巨大扇風機とかあったのかな。 かつ、動物の演技力はこの映画がピカイチかも。例の黒犬に始まり、墓場にいた野犬とかちゃんと人に襲い掛かってて偉い。某ホラー邦画のゾンビ犬が尻尾ブンブンで突っ込まれてたけど、ここの犬たちはそんなこと無くて地味に凄い。良い役者を揃えている。 肝心のダミアン少年の記憶はあまり無い。思ってたより小さかった。最後の振り向いてニヤリのシーンは監督がめちゃくちゃ変顔してるのを必死に笑い堪えてるっていう話を聞いちゃってて、ただただ可愛いという印象。あんまり裏話は聞くもんじゃない。 まあ〜子供だったら体をバラバラにするなんて解決法は絶対出来ないし父親は最初から詰んでるようなもん。これは仕方ない。 お父さんハンサムだったけどオードリー・ヘップバーンの映画出てたのか。 ちなみに「オーメン」は前兆・予感・予知・神のお告げって意味らしい。また一つ賢くなった。